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花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生

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花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生
Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI
著者 デヴィッド・グラン英語版
訳者 倉田真木[1]
発行日 アメリカ合衆国の旗 2017年4月18日
日本の旗 2018年5月17日[1]
発行元 アメリカ合衆国の旗 ダブルデイ
日本の旗 早川書房[1]
ジャンル ノンフィクション
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ページ数 352 (原書ハードカバー版)
460 (日本語版)
コード ISBN 978-0-385-53424-6
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花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』(Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI)は、アメリカ合衆国のジャーナリストのデヴィッド・グラン英語版によるノンフィクション本である[2]ダブルデイより2017年4月18日に出版された[3][4][5]。『タイム』誌からは2017年のノンフィクション本トップ10の1つに挙げられた[6]マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオロバート・デ・ニーロジェシー・プレモンスブレンダン・フレイザーリリー・グラッドストーン出演により映画化され、2023年公開に向けて製作が進行中である[7][8]

内容

本書は1920年代初頭にオクラホマ州オーセージ郡オセージ族英語版の土地で石油資源が発見された後に発生した連続殺人事件英語版を調査したものである[9][10]。自身の土地で発見された石油の利権を裁判で勝ち取ったオセージ族は巨額の富を手にする。

オセージ族は「中間業者」とみなされてしまい、あらゆる手段を使って彼らを排除しようとする複雑な計画が練られる。公式には純血で裕福なオセージの犠牲者は20人程度とされているが、グランは石油との関係からさらに数百人が殺害されたと推測している[11]。本書では新設された連邦捜査局(FBI)によるこの殺人事件の調査、そして最終的に牛飼いのウィリアム・ヘイル英語版がこの計画の首謀者として裁判にかけられ、有罪判決を受けるまでが詳述されている。

評価

レビュー集積サイトのブック・マークス英語版によると『花殺し月の殺人』は文芸評論家たちからおおむね高評価を受けているとされている[12]

ニューヨーク・タイムズ』紙に寄稿したデイヴ・エガース英語版はこの本を「魅惑的」と評し[13]、「この最後のページでグランは既にアメリカ史の忘れられた章を魅力的かつ規律正しい記録として残し、現代のオセージ族の人々の協力を得て、あの恐怖の4年間よりもはるかに深い、病的な陰謀を照らし出している。それはあなたの魂を焼くだろう」と書いた[13]

ローリング・ストーン』誌のショーン・ウッズは「グランは殺人、裏切り、ヒロイズム、そしてフロンティア文化を捨て去り現代社会に突入しようとする国民の苦悩の物語を傑作の新刊で描いている。(中略)ストイックなテキサスレンジャー、腐敗した泥棒男爵、私立探偵、アル・スペンサー・ギャングのような殺人鬼など、ほとんど神話のような過去の人物で埋め尽くされたグランの物語はアメリカ開拓時代の秘史に相当する」評した[14]

パブリッシャーズ・ウィークリー』での書評では「『ザ・ニューヨーカー』のスタッフライターであるグラン(『ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追え英語版』)は1920年代に主にオクラホマで起こった不可解で恐ろしい、そしてあまり知られていない連続殺人事件を再調査し、優れたストーリーテラーとして評価を高めている」と書かれた[15]

ガーディアン』のエド・ヴァリアミー英語版は「グランの時代に至るまでの100年間、アメリカ白人による先住民族に対する虐殺は彼らが神聖視していた自然界を人類が壊滅させたことの隠喩である。グランの本は本来の恐ろしい残虐行為にタイムリーかつ不穏な一章を加えたものである」と評した[16]

映画化

本書はマーティン・スコセッシレオナルド・ディカプリオロバート・デ・ニーロリリー・グラッドストーンブレンダン・フレイザージェシー・プレモンス出演により2億ドルを超える予算で映画化される[17][18][19]。2023年内にパラマウント・ピクチャーズ配給で劇場公開、Apple TV+上でストリーミング配信される予定である[8][20]

主人公のFBI捜査官であるトム・ホワイトは当初はディカプリオを想定して脚本が書かれていたが、ディカプリオは自分の役をデ・ニーロが演じるこの映画の主要な敵役の甥に変更するように働きかけた[21]。その結果、プレモンスが代わりにトム・ホワイト役、ディカプリオはアーネスト・バーカート役にキャスティングされた[21]

参考文献

  1. ^ a b c 花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生”. 2023年3月19日閲覧。
  2. ^ The Rare Archival Photos Behind 'Killers of the Flower Moon'”. Atlas Obscura (May 18, 2017). 20 May 2017時点のオリジナルよりアーカイブ5 October 2017閲覧。
  3. ^ Eggers, Dave (28 April 2017). “Solving a Reign of Terror Against Native Americans”. The New York Times. オリジナルの16 January 2018時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20180116064453/https://www.nytimes.com/2017/04/28/books/review/killers-of-the-flower-moon-david-grann.html 5 October 2017閲覧。 
  4. ^ Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI by David Grann”. Goodreads. 17 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ6 October 2017閲覧。
  5. ^ Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI by David Grann”. Kirkus Reviews (2 February 2017). 17 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ7 October 2017閲覧。
  6. ^ Howorth, Claire (21 November 2017). "The Top 10 Non-Fiction Books of 2017". TIME. 2019年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月13日閲覧
  7. ^ World, Michael Smith Tulsa. “What we know so far about the 'Killers of the Flower Moon' movie set in Oklahoma” (英語). Tulsa World. 2020年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年10月10日閲覧。
  8. ^ a b Clayton Davis (July 26, 2022). “Martin Scorsese and Leonardo DiCaprio's 'Killers of the Flower Moon' to Release in 2023”. Variety. July 29, 2022閲覧。
  9. ^ Killers Of The Flower Moon: The Osage Murders And The Birth Of The FBI by David Grann”. NPR. 17 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ5 October 2017閲覧。
  10. ^ Killers Of The Flower Moon: The Osage Murders And The Birth Of The FBI by David Grann”. Penguin/Random House. 17 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ5 October 2017閲覧。
  11. ^ Whaley, Monte (13 July 2017). “"Killers of the Flower Moon": Murdering the Osage for ill-gotten gains”. The Denver Post. オリジナルの17 March 2019時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20190317093656/https://www.denverpost.com/2017/07/13/killers-of-the-flower-moon-the-osage-murders-and-the-birth-of-the-fbi-book-review/ 6 October 2017閲覧。 
  12. ^ Book Marks reviews of Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI by David Grann” (英語). Book Marks. 2021年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年10月10日閲覧。
  13. ^ a b Eggers, Dave (2017年4月28日). “February's Book Club Pick: 'Killers of the Flower Moon,' by David Grann (Published 2017)” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. オリジナルの2018年1月16日時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20180116064453/https://www.nytimes.com/2017/04/28/books/review/killers-of-the-flower-moon-david-grann.html 2020年10月10日閲覧。 
  14. ^ Woods, Sean (17 April 2017). "'Killers of the Flower Moon': Inside David Grann's New True-Crime Epic". Rolling Stone. 2017年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月20日閲覧
  15. ^ Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI”. Publishers Weekly. 17 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ5 October 2017閲覧。
  16. ^ Vulliamy, Ed (1 May 2017). “Killers of the Flower Moon by David Grann – review”. The Guardian. オリジナルの17 March 2019時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20190317095508/https://www.theguardian.com/books/2017/may/01/killers-of-the-flower-moon-david-grann-review 6 October 2017閲覧。 
  17. ^ Masters, Kim (29 May 2020). “Behind Scorsese's 'Killers' Apple Deal: $200M+ Budget, "Low-Risk" for Paramount”. The Hollywood Reporter. 20 January 2021時点のオリジナルよりアーカイブ15 January 2021閲覧。
  18. ^ Reimann, Tom (7 August 2020). “Scorsese's Killers of the Flower Moon New Filming Details Revealed”. Collider. 8 April 2021時点のオリジナルよりアーカイブ15 January 2021閲覧。
  19. ^ Kit, Borys (17 February 2021). “Jesse Plemons to Star in Martin Scorsese's 'Killers of the Flower Moon'”. The Hollywood Reporter. 18 February 2021時点のオリジナルよりアーカイブ18 February 2021閲覧。
  20. ^ Fleming, Mike Jr. (May 27, 2020). “Apple Partners With Paramount on Martin Scorsese and Leonardo DiCaprio's 'Killers of the Flower Moon'”. Deadline Hollywood. May 28, 2020時点のオリジナルよりアーカイブMay 27, 2020閲覧。
  21. ^ a b Sharf, Zack (2021年2月18日). “Jesse Plemons Takes Over DiCaprio's Original Role in Scorsese's 'Flower Moon' After Script Changes” (英語). IndieWire. 2021年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ2021年2月23日閲覧。

外部リンク