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アフメド・アワド・イブンオウフ

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アフメド・アワド・イブンオウフ
أحمد عوض بن عوف
スーダンの旗 スーダン共和国暫定軍事評議会議長
任期
2019年4月11日 – 2019年4月12日
前任者オマル・アル=バシール
(スーダン大統領)
後任者アブドゥルファッターハ・アブドッラフマーン・ブルハーン
スーダンの旗 スーダン共和国第一副大統領
任期
2019年2月23日 – 2019年4月11日
大統領オマル・アル=バシール
前任者バクリ・ハサン・サレー
後任者TBD
スーダンの旗 スーダン共和国国防大臣
任期
2015年8月23日[1] – 2019年4月14日
大統領オマル・アル=バシール
アフメド・アワド・イブンオウフ(兼任)
前任者ムスタファ・オスマン・オベイド・サリム
個人情報
生誕1957年(66 - 67歳)
兵役経験
所属国スーダンの旗 スーダン
所属組織 スーダン陸軍
最終階級 中将

アフメド・アワド・イブンオウフ[2] (アラビア語: أحمد عوض بن عوف‎ 英語: Ahmed Awad Ibn-Auf 1957年ごろ生[3]) は、スーダンの将軍、政治家。2019年にクーデター(2019年スーダンクーデター)を起こし[4]、暫定軍事評議会の議長として事実上の国家元首の座に就いた[5]。それ以前は2019年2月から4月まで第一副大統領の地位にあった[6]ほか、国防大臣の任にも就いていたが、クーデターの3日後にはこれら全ての役職を失った。

軍人・政治家としての経歴

オウフはスーダン軍諜報部長官にして参謀長だったが、2010年6月の軍部改革の際に解任され[7]、その後は駐サウジアラビア大使に任じられた。

2007年5月にアメリカ合衆国が発表した制裁対象リストには、オウフも含まれていた。ダルフール戦争時に政府とジャンジャウィードの間で連絡を取り持ったこと、またイランと近しいことが理由だった[8]。オウフがジャンジャウィードに関わって、アントーノウ社機による市民への爆撃、村落への攻撃、強制移住、北ダルフールのタウィラでの集団レイプを引き起こしたのは確実とみられている[9]。ただし、ダルフール戦争に関する戦争犯罪で多くのスーダン政府関係者が国際刑事裁判所に起訴されている一方で、オウフはこの件で起訴されていない[10]

2015年8月23日、オウフはオマル・アル=バシール政権の国防相に任じられた。

副大統領

2019年1月、オウフは大衆の抗議活動により解任されたバクリ・ハサン・サレーに代わり第一副大統領に就任した[11]

クーデター

2019年4月11日、オウフはスーダン国営テレビを通じて政府解体と憲法停止を宣言した。彼は2年間の暫定軍政を敷くと述べ、午後10時以降を外出禁止とした[4]。さらにオウフは24時間の領空閉鎖、国境封鎖、3か月間の非常事態宣言を発令した。彼はスーダン国会を解散させたうえで、「自由で公正な」選挙を準備していると述べた。反対派は、オウフの行動はクーデターであるとして非難した。クーデター当日の時点では、スーダンの新聞はオウフを従来通り国防相、副大統領、スーダン軍将軍として扱っている[12]

オウフは暫定軍政のために設置された軍事評議会の議長に就任したが、しかしデモ参加者からは軍による暫定政権は認められないと反発の声が強まり、文民政権への移行要求が噴出。就任わずか1日で議長を退任した[13]。4月14日、バシール旧政権の一掃を掲げる軍事評議会はオウフを国防大臣から解任した[14]

脚注

  1. ^ Sudan appoints new defence minister”. Middle East Eye. 28 October 2015閲覧。
  2. ^ スーダン軍、大統領を解任・拘束”. AFPBB News. 2019年4月11日閲覧。
  3. ^ Cable: 08STATE61842_a”. wikileaks.org. 28 October 2015閲覧。
  4. ^ a b Goldstein (2019年4月11日). “Omar Hassan al-Bashir Is Removed as Sudan’s President”. The New York Times. 2019年4月11日閲覧。
  5. ^ “Sudan military coup topples Bashir” (英語). (11 April 2019). https://www.bbc.com/news/world-africa-47891470 2019年4月11日閲覧。 
  6. ^ AfricaNews (11 April 2019). “Sudan protest hub: Bashir ousted, military outlines next steps” (英語). Africanews. 2019年4月11日閲覧。
  7. ^ Sudan retires general sanctioned over Darfur”. Reuters UK. 28 October 2015閲覧。
  8. ^ Bashir appoints U.S. sanctioned general as new defence minister”. sudantribune.com. 28 October 2015閲覧。
  9. ^ Reeves (2019年2月24日). “#Sudan #SudanUprising Al-Bashir has appointed as his Vice President General/ Defence Minister Awad Ibn Ouf, a deeply ominous sign for many reasons. The removal of former VP Bakri Saleh may well be the removal of a potential rival and successor.pic.twitter.com/oZ1cghOZke” (英語). @sudanreeves. 2019年4月11日閲覧。
  10. ^ https://www.icc-cpi.int/darfur
  11. ^ AfricaNews (11 April 2019). “Sudan protest hub: Bashir ousted, military outlines next steps” (英語). Africanews. 2019年4月11日閲覧。
  12. ^ Sudan's military seizes power from President Omar al-Bashir”. www.aljazeera.com (11 April 2019). 2019年4月11日閲覧。
  13. ^ “スーダン軍事評議会議長、就任1日で辞任 デモ隊「民意の勝利」と歓迎”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年4月13日). https://www.afpbb.com/articles/-/3220632 2019年4月15日閲覧。 
  14. ^ “Sudan military leaders sack defence minister in purge of top officials”. The Guardian. ガーディアン. (2019年4月14日). https://www.theguardian.com/world/2019/apr/14/sudan-protesters-demand-civilian-government-in-talks-with-military-rulers 2019年4月15日閲覧。