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ロドプシン

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RHO
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

4ZWJ, 5DGY

識別子
記号RHO, CSNBAD1, OPN2, RP4, rhodopsin, Rhodopsin, visual purple
外部IDOMIM: 180380 MGI: 97914 HomoloGene: 68068 GeneCards: RHO
遺伝子の位置 (ヒト)
3番染色体 (ヒト)
染色体3番染色体 (ヒト)[1]
3番染色体 (ヒト)
RHO遺伝子の位置
RHO遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点129,528,639 bp[1]
終点129,535,344 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
6番染色体 (マウス)
染色体6番染色体 (マウス)[2]
6番染色体 (マウス)
RHO遺伝子の位置
RHO遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点115,908,709 bp[2]
終点115,916,997 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 シグナルトランスデューサー活性
金属イオン結合
photoreceptor activity
血漿タンパク結合
Gタンパク質共役受容体活性
11-cis retinal binding
G protein-coupled photoreceptor activity
細胞の構成要素 Golgi-associated vesicle membrane
ゴルジ体
ゴルジ膜
photoreceptor outer segment
cell-cell junction
integral component of plasma membrane

photoreceptor inner segment
ciliary membrane
細胞膜
photoreceptor inner segment membrane
photoreceptor outer segment membrane
integral component of membrane
photoreceptor disc membrane
cell projection
生物学的プロセス retina development in camera-type eye
sensory perception of light stimulus
シグナル伝達
刺激への反応
detection of light stimulus
absorption of visible light
cellular response to light stimulus
タンパク質リン酸化
response to light stimulus
regulation of rhodopsin mediated signaling pathway
retinoid metabolic process
phototransduction
phototransduction, visible light
photoreceptor cell maintenance
視覚
Gタンパク質共役受容体シグナル伝達経路
rhodopsin mediated signaling pathway
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_000539

NM_145383

RefSeq
(タンパク質)

NP_000530

NP_663358

場所
(UCSC)
Chr 3: 129.53 – 129.54 MbChr 3: 115.91 – 115.92 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス

ロドプシン (英語: Rhodopsin)、は脊椎動物の光受容器細胞に存在する色素である。視紅(しこう)とも呼ばれる。

概要

ロドプシンは網膜において光受容器細胞の形成との認識の初期段階を司る。Gタンパク結合受容体ファミリーに属しているため、光に敏感であり、夜間視力はこの物質のおかげで成り立つ。光を浴びると即座に退色し、その回復にヒトの場合は約30分かかる。

ロドプシンは2つの部分から成っている。オプシンと呼ばれるタンパク質部分と、可逆的に共有結合をつくる補因子レチナール(レチンアルデヒド)である。オプシンは7本のらせんが束になって膜を貫通し、中心のポケット内にクロモフォア(色中心)のレチナールが結合する。レチナールは網膜でビタミンAから作られる。そのため、ビタミンAが欠乏すると暗部の視力低下に繋がる(夜盲症)。

11-シス-レチナール (11-cis-retinal) が光によりオールトランスレチナール (all-trans-retinal) へ異性化するとオプシンは構造変化を起こし、会合しているGタンパク質を活性化させセカンドメッセンジャーカスケードを引き起こす。

ロドプシンが視神経に信号を伝えるのは、次の網膜でのメカニズムによる。βカロテンが鎖の真ん中で切断されると、二つのトランス型レチノールというアルコール型のビタミンAが生成する。レチノールは酸化されてレチナールというアルデヒドになる。このトランス型のレチナールを、シス型のレチナールに変化させ、オプシンに収納される。この状態が、ロドプシンである。

ロドプシンへが当たるとシス型のレチナールが安定なトランス型に戻り、トランス型レチナール分子は、オプシンに収まらず、はずれてしまう。この変化が細胞の中に伝えられ、化学的に増幅されて、光が当たった、という信号となって視神経に伝えられる。トランス型レチナールは、再びイソメラーゼの働きでシス型に折り曲げられてオプシンに収納される。やがてレチナールは消耗するので、不足した分は、レチノールから酸化して補われる。

このため、網膜にはレチノールをレチナールに酸化するためのアルコール脱水素酵素が豊富に存在する。そのため、メタノールを飲んだ場合には、網膜でホルムアルデヒドが大量に作られ、ホルムアルデヒドの毒性で視細胞が死に、失明することになる[5]

桿体細胞にあるロドプシンは緑青色の光を最も吸収するので赤紫色に見えるのが視紅と呼ばれる所以である。そのために暗所での視界はモノクロに見える。

ヒトのロドプシン(点線)と3つのフォトプシンの平均吸収スペクトル。

これと近縁なオプシンに、アミノ酸がわずかに異なり最大吸収波長が違うフォトプシン (photopsin) というグループが存在する。これらの色素は網膜の異なるタイプの錐体細胞に見られ、色覚の元となる。ヒトはロドプシンと他に最大吸収波長が黄緑 (photopsin I)、緑 (photopsin II)、青紫 (photopsin III) の3つのオプシンを持つ。

古細菌の中には光合成を引き起こすバクテリオロドプシンと呼ばれるプロトンポンプを発現するものがある。ロドプシンと同様に、バクテリオロドプシンもレチナールを持ち、7つの膜貫通αヘリックスを持つがGタンパクとは結合しない。また藻類は独自の光ゲートイオンチャンネルを含んだチャネルロドプシン2と呼ばれるオプシンを持つことが知られている。


脚注

  1. ^ a b c GRCh38: Ensembl release 89: ENSG00000163914 - Ensembl, May 2017
  2. ^ a b c GRCm38: Ensembl release 89: ENSMUSG00000030324 - Ensembl, May 2017
  3. ^ Human PubMed Reference:
  4. ^ Mouse PubMed Reference:
  5. ^ 「続・身のまわりの毒」Anthony T.Tu著、東京化学同人、1993年

外部リンク