コンテンツにスキップ

コンウィ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2021年5月4日 (火) 01:33; Hiyotchi (会話 | 投稿記録) による版 (イギリスでいちばん小さい家: lk)(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
コンウィ

コンウィの街並み
コンウィの位置(ウェールズ内)
コンウィ
コンウィ
ウェールズにおけるコンウィの位置
人口14,723人 (2011年国勢調査)
英式座標
SH775775
コミュニティ
  • コンウィ
プリンシパル・エリア
セレモニアル・カウンティ
構成国ウェールズの旗 ウェールズ
イギリスの旗 イギリス
郵便地域CONWY
郵便番号LL31、 LL32
市外局番01492
救急医療ウェルシュ
欧州議会ウェールズ
英国議会
ウェールズ議会
場所一覧
イギリス
ウェールズ
北緯53度17分 西経3度50分 / 北緯53.28度 西経3.83度 / 53.28; -3.83座標: 北緯53度17分 西経3度50分 / 北緯53.28度 西経3.83度 / 53.28; -3.83

コンウィ: Conwy, [ˈkɒnwi], ウェールズ語: [ˈkɔnʊɨ] ( 音声ファイル), 英語の綴りはConwayとも)はウェールズ北部コンウィ・カウンティ・バラにあり、同名の川英語版河口コミュニティ英語版。旧市街は城壁に囲まれ、中世から集積地であった。多数の古建築が残る人気の観光地で、城壁は世界遺産の「グウィネドのエドワード王時代の城砦と城壁(Castles and Town Walls of King Edward in Gwynedd)の構成要素である。

概要

[編集]

13世紀、ウェールズ遠征の拠点としてイングランド王エドワード1世コンウィ城を築いた。

川の対岸にデガンウィ(英語)をのぞむこの町は、その昔、グウィネズの一部で、さらに時代をさかのぼるとカーナーヴォンシャーに属していた。2011年国勢調査によると、観光地として人気がある地域人口はデガンウィとランディドノウ(en)と合算して1万4753人[1]。カウンティ・バラの人口は推定11万6200人(2015年6月30日時点[2])、コンウィに限定すると住民は4065人である(2011年国勢調査[3])。

町の名前「コンウィ」Conwy の由来は、古ウェールズ語cyn (長=おさ)と gwy (水、流れ)からなり、川も古名を「シンウィ」Cynwy といった[4][5][6][7]

歴史

[編集]
「城と吊り橋」1890年–1900年頃

城砦都市

[編集]
旧市街の眺め
城壁(en)から眺めた旧市街

コンウィ城と旧市街を取り巻く城壁はエドワード1世の命令を受け、王がウェールズの貴族(en)征服に乗り出した1283年から1289年頃に築かれた[8]。城壁が完成すると、14世紀にその内側にまず最初に教会群が建った。それ以前からの建造物は城壁の東南側に残る壁と塔の遺構で、大サウェリン英語版とその孫息子の末代公サウェリンの宮殿・宮城(llys)があったと考えられる。岩の斜面に立ち付属の塔にアプスがある点、ウェールズ独得の4つ窓をほどこしてある点を見ると、イングランド人が建てた城壁と容易に識別できる。建造時期は13世紀初頭に始まり、大サウェリンが手がけた御殿(llysoedd)として最も特徴を残している。

城壁に囲まれた旧市街生まれの人には「ジャックドー」Jackdaws というあだ名がある。城壁に巣をかけるカラスの仲間がいるからで、2011年に解散するまでコンウィ旧市街に「ジャックドーの会」という親睦組織があった[9][10]

コンウィには1841年時点で1358人が暮らしていた[11]

吊り橋

[編集]

コンウィの景観をなす吊り橋トーマス・テルフォードの設計により、橋の支柱は城のタレットとデザインをそろえてある。城のすぐ横に橋を架けた1826年以前は、コンウィ川の両岸を渡し船が結んで人貨を運んでいた[12]。現在、橋は歩行者専用で、橋守りの宿舎とともにナショナル・トラストが管理する。

鉄道橋

[編集]

コンウィ鉄道橋(en)は筒状の橋で設計はロバート・スティーブンソン(en)が手がけ、チェスター・ホリヘッド鉄道(en)が走った。最初の筒型構造は1848年に架かり、まもなく第2号が1849年に完成する[13]。現在も北ウェールズ海岸線(en)が利用し、旧市街にある(英語)に発着する。市内外をつなぐ近代的な橋は数基あり、自動車道55号線(A55(英語)が川を横切る地下トンネルは、イギリスで最古のチューブ型川底トンネルで、工期は1986年から1991年まで費やした[14]峠越え(英語)をして Dwygyfylchi 方面と Penmaenmawr 方面に至る旧道は、コンウィ山の麓をめぐる。

イギリスでいちばん小さい家

[編集]
イギリス最小の家の外観

岸壁には間口1.8 m、奥行き3.05 m の建物が立ち、イギリスで最小の家としてギネス世界記録に登録された。16世紀以来、住人が絶えることなく代替わりしており、一時は子ども連れの家族が暮らしたこともある。ところが1900年、当時の家主は身長 6-フート (1.8 m) の漁師で名前をロバート・ジョーンズと言い、健康に悪いからと退去を命じられている。まともに立つこともできないほど部屋が狭かったからだが、その後も血縁者が引き継ぎ、少額の料金を取って見学させている。

中世の見張り塔

[編集]

湿地の対岸にある館は Bodysgallen と呼ばれ、中世の塔がある。おそらくコンウィ城の兵士が見張りに立ったものと考えられる[15]

ギャラリー

[編集]

コンウィの発展を絵画や写真で振り返る。

参考資料

[編集]

脚注の典拠。主な執筆者名の50音順。

脚注

[編集]
  1. ^ Town population 2011”. 21 May 2015閲覧。
  2. ^ Archived copy”. 4 November 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。3 November 2016閲覧。
  3. ^ Ward population 2011”. 21 May 2015閲覧。
  4. ^ Parry, Richarc (1861) Llandudno: its history and natural history.
  5. ^ Cathrall, William ; Andrew Crombie Ramsay. (1860) A guide through North Wales.
  6. ^ Cymmrodorion Society. (1822) Transactions.
  7. ^ Bennett, George John. (1838) The pedestrian's guide through North Wales.
  8. ^ Conwy Castle Facts and Information”. History for Kids. 4 April 2012閲覧。
  9. ^ Joining the Jackdaws”. BBC Northwest Wales (September 2009). 4 April 2012閲覧。
  10. ^ Evans, Kath (11 March 2011). “Jackdaw Society for those Born within Conwy Walls Folds”. BBC Northwest Wales. https://www.bbc.co.uk/news/mobile/uk-wales-north-west-wales-12714684 4 April 2012閲覧。 
  11. ^ Knight, Chales. (1847) The National Cyclopaedia of Useful Knowledge, 第III巻、p.1,018。
  12. ^ Conwy Suspension Bridge”. Engineering Timelines. 27 January 2017閲覧。
  13. ^ Conwy Tubular Bridge”. Engineering Timelines. 27 January 2017閲覧。
  14. ^ Conwy Immersed Tube Tunnel”. Engineering Timelines. 28 January 2017閲覧。
  15. ^ History”. Bodysgallen Hall & Spa. 28 January 2017閲覧。

関連項目

[編集]

関連資料

[編集]

本文の脚注にないもの。発行年順。

  • 編集部「北ウェールズを扼する堅城 コンウィ城」『歴史群像』第7巻第2号 (34)、ワン・パブリッシング(編)、学習研究社、1998年5月、p30-32。doi:10.11501/7968062(コマ番号0020.jp2)、 国立国会図書館限定。
  • 「14. ウェールズ §§コンウィ、バンゴール、カーナーヴォン―ウェールズ北部の町」『イギリス文化事典』イギリス文化事典編集委員会(編)、丸善出版、2014年、p692。全国書誌番号:22513540ISBN 978-4-621-08864-7
  • ジョナサン・グランシー「ゴシック §§コンウィ城」『世界建築大全 = Architecture a visual history : より深く楽しむために』山田雅夫(日本語版監修)、日東書院本社、2016年、p192。全国書誌番号:22814018ISBN 978-4-528-02004-7。原題は『Eyewitness Companions:Architecture』。

外部リンク

[編集]

Category:城砦のある都市