4C

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4Cは、広告マーケティング・コミュニケーション研究者によって唱えられたマーケティングミックスの理論。4P理論が企業側から見たマーケティング・ミックスであるのに対して、顧客側から見たマーケティング・ミックス、及び企業と消費者双方が共に生きる共生マーケティングの中のミックスとしての4C理論がある。

顧客側から見た4C[編集]

ノースカロライナ大学のロバート・ローターボ-ン(Robert F.Lauterborn)は1993年にIMC理論と共に、これからは造って売り込むプロダクトアウトの4Pではなく、消費者から始まるアウトサイドインの4Cが良いと唱えた[1]

  • Consumer(消費者のニーズとウォンツの解明こそが商品である。)
  • Cost(価格はコストの一部。消費者は商品の価格だけではなく購入コスト、時間コストを費やしている。)
  • Convenience(場所ではなく買い易さが大切。)
  • Communication(広告は売り込むのではなく納得させること。)

共生マーケティングの4C[編集]

企業消費者、自国と他国、人間と自然とが共に生きる共生マーケティングのフレームワーク[2]の一部として、利用している企業もある。日本でも食品メーカーの副会長は講演で、これからは4Pよりもこのモデルの中心を成す4Cが重要であると言っている[3]。不祥事の続いた食品業界でも信頼マーケティングとして関心を持ちつつある。リコール問題のある自動車産業や家電業界でも必要である。4Cは1972年度早稲田大学商学研究科の修士論文に登場し、ローターボーンが発表した20年前にコ・マーケティング(Co-marketing:Commensal marketing)の4Cとして日経広告研究所報(1981)に発表されている。4P4Cは以下のように対応している[4][5]

  • Product(製品) ⇔ Commodity(商品)
  • Price(製品価格)⇔  Cost(コスト)
  • Place (陳列場所)⇔ Channel(流通経路)
  • Promotion(促進) ⇔ Communication(コミュニケーション)

Product(製品)はラテン語の原義が「前に導く」で、ベルトコンベアで前に吐き出されるオートメーションを連想するが、Commodity(商品)はラテン語の原義が「共に便利な、共に幸せになる」で、企業と消費者が共に創る共生商品そのもの。始めからコモディティを創ればコモディティ化(commoditization)の心配がない。

Price(価格)は製品価格の狭い意味であるが、Costは原義が「共に立ち上がって犠牲を払う」ということで、共生の意味があり、生産コスト、販売コスト、買い物コスト、コミュニケーション・コスト、社会的コスト(地球環境を考慮)といったように広く見ることができる。

Place(場所)は陳列場所といったように静止的であるが、Channel(流通経路)は原義がCanal(運河)から来ており、商品がダイナミックに流れるさまを表している。ネットとリアルの共生も考えられる。

Promotionの原義は「前へ動かす」で、「売らんかな」のイメージが強いが、Communicationの原義は「共に意味を持つ」で、意思疎通の意。これからの広告は節約を呼びかけるものやインターネット広告のように検索型のものも含まれるので、ホリスティック・アプローチで見ても広告の上位カテゴリーは「プロモーション」ではなく「コミュニケーション」(マーケティング・コミュニケーション)のほうが適切であるというもの。

脚注[編集]

  1. ^ Don E. Schullz, Stanley I. Tannenbaum, Robert F. Lauterborn(1993)“Integrated Marketing Communications,”NTC Business Books, a division of NTC Publishing Group.
  2. ^ Brian Solis(2011) Engage!: The Complete Guide for Brands and Businesses to Build, Cultivate, and Measure Success in the New Web, John Wiley & Sons, Inc.pp.201-202.
  3. ^ 日経広告研究所(2006)「広告に携わる人の総合講座」平成18年版、日本経済新聞社、P.307-321。「菓子メーカーの副社長がこれからは4Pよりも4Cが重要と言っている」
  4. ^ 「日経広告研究所報」第15巻第5号、日経広告研究所、16-23ページ
  5. ^ 柏木重秋編著(1982)『マーケティング』(清水公一稿)、白桃書房、145-146ページ

関連項目[編集]