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1916年2月3日の日食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1916年2月3日の日食は、1916年2月3日に観測された日食である。コロンビア、ベネズエラ、フランス領グアドループで皆既日食が観測され、アメリカ州の大部分と大西洋北東沿岸で部分日食が観測された[1]

通過した地域

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皆既帯が通過した、皆既日食が見えた地域はコロンビア北部、ベネズエラ北部、フランス領グアドループのほとんど(マリー・ガラント島及び当時管轄下のサン・マルタンサン・バルテルミー島を除く)だった[2][3]

また、皆既日食が見えなくても、部分日食が見えた地域は北アメリカの大部分(アラスカ準州(現在のアメリカ合衆国アラスカ州)、カナダ北部、デンマーク領グリーンランドの北半分を除く)、南アメリカ中北部、ヨーロッパ西部、アフリカ北西部だった[1][4]

観測

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アルゼンチン国立天文台(現在のコルドバ天文台スペイン語版)はベネズエラのファルコン州トゥカカススペイン語版に観測隊を派遣した。第一次世界大戦による経済不況のため、最先端の機械を観測地に運搬することができなかった。観測隊は1915年12月2日にアルゼンチンのコルドバ州を出発し、1916年1月14日にトゥカカスに到着した。到着後最初の1週間、現地はずっと大雨だった。2月3日の皆既日食当日、朝にも大雨で、その後天気は改善した。皆既食の段階に入った後、空には薄い霧だけがあり、観測に少しの妨害があった。観測隊はコロナスペクトルの撮影などに成功した[5]。ファルコン州では1998年2月26日にも皆既日食が見えたため、1916年の観測結果は1998年のと対照することなどにも使われる[6]

脚注

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