1,2-エタンジチオール
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1,2-エタンジチオール | |
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別称 1,2-ジメルカプトエタン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 540-63-6 |
RTECS番号 | KI3325000 |
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特性 | |
化学式 | C2H6S2 |
モル質量 | 94.20 g/mol |
示性式 | HSCH2CH2SH |
外観 | 無色液体 |
密度 | 1.123 g/mL, 液体 |
融点 |
-41 ℃ |
沸点 |
146 ℃ |
水への溶解度 | わずかに溶ける |
溶解度 | 有機溶媒一般に易溶 |
酸解離定数 pKa | 11 |
屈折率 (nD) | 1.5589 (D線, 25 ℃) |
危険性 | |
EU分類 | Toxic (T) |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R10 R22 |
Sフレーズ | S16 |
引火点 | 50 ℃ |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1,2-エタンジチオール (1,2-ethanedithiol) は、有機硫黄化合物。強い臭いを持つ無色の液体。有機合成におけるビルディングブロックとして、あるいは金属イオンへのキレート配位子として用いられる。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する[1]。
合成
[編集]1,2-エタンジチオールは市販されている。1,2-ジブロモエタンにチオ尿素を縮合させ、生成物を加水分解して得ることができる[2]。
用途
[編集]1,2-エタンジチオールは有機合成においてアルデヒドやケトンを保護して 1,3-ジチオランの形で保護する際に用いられる[3]。
このような保護は、他の 1,2-ジチオールや 1,3-ジチオールによっても施すことができ、それぞれ 1,3-ジチオラン環、1,3-ジチアン環(6員環)を与える。エチレングリコールなども同様にカルボニル基を保護して 1,3-ジオキサラン環とすることができる。しかしアルデヒドを保護した 1,3-ジチオラン環の場合に 1,3-ジオキサラン環と大きく異なるのは、前者は硫黄に挟まれた C-H 水素を強塩基で引き抜き、求電子剤と結合させられる点である。
出典
[編集]- ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
- ^ Speziale, A. J. (1963). "Ethanedithiol". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 4, p. 401
- ^ Conrow, R. E. "Ethanedithiol" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, Paquette, L. ed., J. Wiley & Sons, New York, 2004. DOI: 10.1002/047084289X.re008