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1,2-エタンジチオール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1,2-エタンジチオール
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識別情報
CAS登録番号 540-63-6
RTECS番号 KI3325000
特性
化学式 C2H6S2
モル質量 94.20 g/mol
示性式 HSCH2CH2SH
外観 無色液体
密度 1.123 g/mL, 液体
融点

-41 ℃

沸点

146 ℃
63 ℃/46 mmHg

への溶解度 わずかに溶ける
溶解度 有機溶媒一般に易溶
酸解離定数 pKa 11
屈折率 (nD) 1.5589 (D線, 25 ℃)
危険性
EU分類 Toxic (T)
NFPA 704
2
2
0
Rフレーズ R10 R22
Sフレーズ S16
引火点 50 ℃
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1,2-エタンジチオール (1,2-ethanedithiol) は、有機硫黄化合物。強い臭いを持つ無色の液体。有機合成におけるビルディングブロックとして、あるいは金属イオンへのキレート配位子として用いられる。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する[1]

合成

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1,2-エタンジチオールは市販されている。1,2-ジブロモエタンチオ尿素を縮合させ、生成物を加水分解して得ることができる[2]

用途

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1,2-エタンジチオールは有機合成においてアルデヒドケトンを保護して 1,3-ジチオランの形で保護する際に用いられる[3]

1,2-エタンジチオールによるカルボニル化合物の保護
1,2-エタンジチオールによるカルボニル化合物の保護

このような保護は、他の 1,2-ジチオールや 1,3-ジチオールによっても施すことができ、それぞれ 1,3-ジチオラン環、1,3-ジチアン環(6員環)を与える。エチレングリコールなども同様にカルボニル基を保護して 1,3-ジオキサラン環とすることができる。しかしアルデヒドを保護した 1,3-ジチオラン環の場合に 1,3-ジオキサラン環と大きく異なるのは、前者は硫黄に挟まれた C-H 水素を強塩基で引き抜き、求電子剤と結合させられる点である。

出典

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  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  2. ^ Speziale, A. J. (1963). "Ethanedithiol". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 4, p. 401
  3. ^ Conrow, R. E. "Ethanedithiol" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, Paquette, L. ed., J. Wiley & Sons, New York, 2004. DOI: 10.1002/047084289X.re008