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青島 (宮崎県)

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青島

2007年撮影
所在地 日本の旗 日本 宮崎県
座標 北緯31度48分18.8秒 東経131度28分33.2秒 / 北緯31.805222度 東経131.475889度 / 31.805222; 131.475889
面積 0.044 km²
海岸線長 0.86 km
最高標高 6 m
プロジェクト 地形
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青島(1976年撮影)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
鬼の洗濯板

青島(あおしま)は、宮崎県宮崎市の南東部海岸付近にある周囲860m、面積約4.4ha、高さ約6mの陸繋島になりつつある。対岸は青島海岸と呼ばれ、青島海水浴場などを含む一大観光地になっている。青島と青島海岸とは弥生橋によって結ばれている。

自然

砂岩泥岩が交互に重なった地層(油津層群)からなる山が沈降して海に浸かり、波に侵食された後にわずかに隆起することで「隆起波食台」と呼ばれる地形が形成された。規則的に重なった地層が緩やかな傾斜をなしているため階段状に侵食されており、巨大な洗濯板のように見えることから「鬼の洗濯板(岩)」と呼ばれる。宮崎県南部海岸には南西から北東に向かって黒潮が、同北部海岸には北から南へ沿岸流が流れており、これらの潮流によって貝殻の破片などが集められ隆起波食台上に堆積することで青島が形成された。珍しい地形であることから「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」として日本国の天然記念物に指定されている。

島では200種類以上の植物が確認されており、そのうち熱帯性及び亜熱帯性の植物が27種あり、中でもビロウの大群落は貴重であることから「青島亜熱帯性植物群落」として日本国の特別天然記念物に指定されている。

歴史

島の中に青島神社があり、神聖な場所であるため祭日以外に一般人が立ち入ることは禁じられていたが、1737年(元文2年)以降、弥生(旧暦の3月)後半の一時期に限り一般人の参詣が許されるようになり、明治以降は年間を通して立ち入りできるようになった。昭和に入ると周辺の青島海岸に遊園地や海水浴場が整備され、ホテルが建ち並ぶ観光地になった。2003年(平成15年)において年間約70万人の観光客が訪れている。

年表

  • 1934年(昭和9年)5月1日 : 「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」が国の天然記念物に指定される。
  • 1939年(昭和14年)3月21日 : 遊園地「子供の国」開園(後の「青島リゾートこどものくに」)。
  • 1949年(昭和24年)6月5日 : 昭和天皇が青島を視察。
  • 1952年(昭和27年)3月29日 : 「青島亜熱帯性植物群落」が特別天然記念物に指定される。
  • 1955年(昭和30年)6月1日 : 周辺地域が日南海岸国定公園に指定される。
  • 1962年(昭和37年)5月2日 : 当時の皇太子(明仁親王)、皇太子妃(美智子)が訪問。
これをきっかけとして新婚旅行客が急増した。
  • 1967年(昭和42年)6月1日 : 宮崎県立青島亜熱帯植物園開園。
  • 1990年(平成2年)12月 : 観光客の減少などにより青島海岸で最大のホテルであった橘ホテルが閉鎖される。
閉鎖後15年間以上放置され、地元住民から景観を損なうなどの意見が出ていたが、2008年9月に佐賀県嬉野市の老舗旅館である和多屋別荘が再開発を行う事業者に決定した[1]。2009年12月より解体工事が始まり、2010年6月に完了した[2]。跡地には新たにホテルが建設される予定。

参考文献

  • 中島茂編 『青島総合調査報告書』 宮崎リンネ会、1954年。
  • 宮崎市編 『2006宮崎市観光要覧』 2006年。

関連項目

外部リンク