見丁帳

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見丁帳(けんていちょう)とは、古代律令制の下で作成された公文書の一つ。調庸の徴収と丁男の掌握を目的としたものである。六年見丁帳ともいう。

概要[編集]

辛酉、大計帳四季帳、六年見丁帳、青苗簿輸租帳等の式を以て、七道の諸国に頒ち下す[1]

とあるのが、史料における初見である。

内容・書式ともに未詳であるが、戸籍の六年一造の制[2]と関連があり、造籍年と次の造籍年との間の見丁(現に課役をおさめる丁)の変更を列記した帳簿と推定される。大計帳が1年間の変動を、四季帳が1年の四季の変動を記すのに対し、直前の戸籍を基準とした変動を記したものと推測される。のちの主計寮式などにみられる大帳の勘会方式[3]とは異なった課丁の掌握方式がとられていたようである。

脚注[編集]

  1. ^ 『続日本紀』巻第七、元正天皇 養老元年4月22日条
  2. ^ 『戸令』19条「造戸籍条」
  3. ^ 『延喜式』巻25「主計下」

参考文献[編集]

  • 『続日本紀』2 新日本古典文学大系13 岩波書店、1990年