私の心はあなたの声に開く

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サムソンとデリラ
ヘラルト・ファン・ホントホルスト(1615年作)

私の心はあなたの声に開く』(仏:Mon coeur s'ouvre à ta voix)は、カミーユ・サン=サーンスオペラサムソンとデリラ』の中のメゾソプラノアリア

第2幕でデリラがサムソンを誘惑して力の秘密を明かそうとするときに歌われる。現行版では、「デリラ!デリラ!愛している」というサムソンの言葉に、デリラはこう答える。それを曲の最初の詩と2番目の詩の間で繰り返す。

歌詞[編集]

フランス語歌詞 日本語訳詞

Mon cœur s’ouvre à ta voix,
Comme s’ouvrent les fleurs
Aux baisers de l'aurore!
Mais, ô mon bien-aimé,
Pour mieux sécher mes pleurs,
Que ta voix parle encore!
Dis-moi qu’à Dalila
Tu reviens pour jamais,
Redis à ma tendresse
Les serments d’autrefois,
Ces serments que j’aimais!
Ah! réponds à ma tendresse!
Verse-moi, verse-moi l’ivresse!

Ainsi qu’on voit des blés
Les épis onduler
Sous la brise légère,
Ainsi frémit mon cœur,
Prêt à se consoler,
À ta voix qui m’est chère!
La flèche est moins rapide
À porter le trépas,
Que ne l’est ton amante
À voler dans tes bras!
Ah ! réponds à ma tendresse!
Verse-moi, verse-moi l’ivresse!

私の心はあなたの声に開く
夜明けのキスに
花が開くように
けれど、最愛の人よ、
私の涙を乾かすために
あなたの声をもう一度聞かせて
デリラのもとに
あなたは永遠に戻る
私の優しさに
昔の誓いを
私が愛した誓いを
私の優しさに応えて
我に注げ、我に酔わせよ!

麦の穂が
穂が揺れる
微風の下で
私の心も震える
慰められる準備はできている
あなたの愛しい声に!
矢はそれほど速くなく
死をもたらす
恋人が
あなたの腕の中で飛ぶより!
私の優しさに応えて
我に酒を注げ、我に陶酔を注げ!

カバー作品[編集]

歌手のクラウス・ノミは、1981年に発表した同名のアルバムの最終曲『サムソンとデリラ』でこの曲をカバーしている[1]

日本の作曲家、久石譲が1998年に発表したアルバム『Piano Stories III』に収録されている「バビロンの丘(A Hill Of Babylon)」で、この曲をカバーしている[2][3]

イギリスのバンド、ミューズも、2009年のアルバム『ザ・レジスタンス』に収録されている『Mon cœur s'ouvre à ta voixフランス語版』で、この曲の一部をカバーしている[4][5]

脚注・参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]