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硝酸水銀(I)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硝酸水銀(I)
Mercury(I) nitrate[1][2]
識別情報
CAS登録番号 10415-75-5, (無水物)
[7782-86-7] (二水和物)
特性
化学式 Hg2(NO3)2 (無水物)
Hg2(NO3)2·2H2O (二水和物)
モル質量 525.19 g/mol (無水物)
561.22 g/mol (二水和物)
外観 白色の単斜晶系結晶 (無水物)
無色の結晶(二水和物)
密度 ? g/cm3 (無水物)
4.8 g/cm3 (二水和物)
融点

? (無水物)
70℃で分解 (二水和物)

への溶解度 僅かに溶け、反応する。
関連する物質
その他の陰イオン フッ化水銀(I)
塩化水銀(I)
臭化水銀(I)
ヨウ化水銀(I)
その他の陽イオン 硝酸水銀(II)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硝酸水銀(I)(しょうさんすいぎん(I)、: Mercury(I) nitrate)は水銀硝酸塩で、化学式Hg2(NO3)2で表される無機化合物

反応

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水銀と希硝酸との反応により得られる。この際濃硝酸を使用すると硝酸水銀(II)が生じる。還元性を持ち、空気に触れると酸化する。水溶液にすると酸化を遅らせることができる。

熱湯との接触や光の曝露により不均化反応が起き、硝酸水銀(II)と水銀に分解する[2]

安全性

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日本の毒物及び劇物取締法では毒物に、消防法では第1類危険物(酸化性固体)に分類される。ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は170mg/kg、経皮投与した場合のLD50は2330mg/kgである。眼や皮膚への腐食性がある。摂取した場合は主に腎臓神経系に影響が及ぶ。

これ自体は不燃性であるが、酸化剤であり周囲での燃焼を助長する。加熱による分解で腐食性・毒性のある煙霧を生じることがある[3]

脚注

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  1. ^ Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 4–45, ISBN 0849305942 
  2. ^ a b Patnaik, Pradyot (2003), Handbook of Inorganic Chemical Compounds, McGraw-Hill Professional, pp. 573, ISBN 0070494398, https://books.google.co.jp/books?id=Xqj-TTzkvTEC&pg=PA552&dq=%22Manganese(II)+acetate%22&as_brr=3&ei=MGFjSui2KYXgygSE4bSYDQ&client=firefox-a&redir_esc=y&hl=ja 2009年7月20日閲覧。 
  3. ^ 製品安全データシート(安全衛生情報センター)