百人坊主

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百人坊主(ひゃくにんぼうず)は上方落語古典落語)の演目[1]江戸落語大山詣りに通じている部分もあり、サゲには同様に「お毛がのうてお目出度う」で落とすものもあったという[1]

あらすじ[編集]

歌川広重「伊勢参宮・宮川の渡し」

大阪のある長屋連中が伊勢参りすることになったが、いつも喧嘩が起こるため「腹立てん講」と称して、怒った者は5貫文の罰金という約束で旅立つ。この中に喧嘩っ早い源太という男がおり、行きの伏見への船の中で面倒を起こすが、約束を盾に逆に周りを脅し、その場を収めてしまう。仲間たちも面白くないので、夜、源太が寝入っているところを、髪を剃って坊主にしてしまう。しかも、伊勢神宮に着いたが坊主は相性が悪いと立ち入りを禁じられ、源太一人だけ帰る羽目になる。

大阪に1人帰り着いた源太は、仲間の女房や家族たちを集めると、途中で船が沈没し、自分だけが生き残ったと嘘をつく。これを信じて女房や家族たちは弔いのため、自分たちも頭を丸める。そこに仲間たちが帰宅し、事態を知って驚くが、女房たちは亭主らの頭も丸めてしまう。こうして皆坊主だらけになってややこしいと思っていると、一人だけ髪の者がいる。誰だと思って確認すると、旦那寺の和尚だった。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 東大落語会 1969, p. 578, 『百人坊主』.

参考文献[編集]

  • 東大落語会 (1969), 落語事典 増補 (改訂版(1994) ed.), 青蛙房, ISBN 4-7905-0576-6