生命表

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

生命表(せいめいひょう)または死亡表(しぼうひょう)あるいは死亡生残表(しぼうせいざんひょう)とは、人口統計学の分野においては年齢別・男女別などに類別し、それぞれの年齢別・性別に次の誕生日までの間の生存率・死亡率および平均余命などを示した表のことである。イギリスのチャールズ・バベッジによって作成された[要出典][1]

昭和26年に試算された昭和20年の簡易生命表[2]

また、生態学の分野でも生物各種についての同様な情報をまとめたものをこう呼ぶ。

生命関数の定義[編集]

生命表の中であらわれる生命関数を以下にまとめる。

年齢階級
生命表の死亡率の算定基準として、歳以上、未満の範囲で年齢を区切る場合、の年齢階級、または歳階級と呼ぶ。乳幼児の場合は、1週階級・1月階級などで計算される場合がある。近年は1歳階級が使われるが、生命表の時期・種類・状況・年齢層によっては5歳階級などが用いられる場合がある。
死亡率
歳に到達した人間が、 歳に到達しない率は死亡率 と表記する。
特に、歳に到達した人間が、歳に到達しない率を、 歳の死亡率 で表す。
生存率
歳に到達した人間が、 歳に到達する率は生存率 と表記する。
特に、歳に到達した人間が、歳に到達する率を、 歳の生存率 で表す。
定義より、 である。
生存数
初期値 (日本の生命表では10万)人の人間が、死亡率に従い、0歳から順次、死亡して数を減らしていく中で、 歳まで到達したときの生存数を とする。
すなわち、となるため、となる。
生存数曲線
生存数 を、 までプロットし、中間を何らかの仮説で連続微分可能な形で補間した曲線 を定める。
死亡数
生存数曲線 において、歳に到達した人間が、 歳に到達する前に死亡することが期待される人数は、死亡数 と表記する。
特に、歳に到達した人間が、歳に到達する前に死亡することが期待される人数を、 歳の死亡数 で表す。
定常人口
歳から歳の定常人口を、 と定義する。
特に、歳の定常人口を、とする。
定常人口は、現在における出生数・死亡率が将来も続くと仮定した場合の、期待される未来の各年齢の人口を示す。
定常人口総数
歳以上の定常人口総数を、と定義する。
平均余命
歳での平均余命を、 と定義する。
平均寿命
平均寿命を、0歳の平均余命、すなわち と定義する。
これはその年に生まれた子供が何歳まで生きられるかの期待値となる。
寿命中位数
生存数曲線 上で、出生者のうち、ちょうど半数が生存し、半数が死亡すると期待される年数 を寿命中位数と定義し、 が成立する数である。
死力
生存数曲線 における、 歳の瞬間における死亡率を、死力 と定義する。
この両辺をからまで積分すると となるため、 、すなわち、となる。

生命表の種類[編集]

国民生命表[編集]

国民の人口統計をもとに作成される生命表。国勢調査に基づく「完全生命表」が正確な人口統計に基づくものといえるが、完全生命表は 5 年ごとにしか作成されないため、推計人口に基づく簡略計算をした「簡易生命表」が毎年作成されている。

完全生命表[編集]

基礎資料として、国勢調査のデータを用いる生命表である。近年は5年に一度作成される。第七回は第二次世界大戦で中止されたため、欠番である。

完全生命表の一覧
第1回 明治24~31年
第2回 明治32~36年
第3回 明治42~大正2年
第4回 [3] 大正10~14年
第5回 [4] 昭和元~昭和5年
第6回 昭和10~11年
第8回 [5] 昭和22年
第9回 [6] 昭和25~27年
第10回 [7] 昭和30年
第11回 [8] 昭和35年
第12回 [9] 昭和40年
第13回 [10] 昭和45年
第14回 [11] 昭和50年
第15回 [12] 昭和55年
第16回 [13] 昭和60年
第17回 [14] 平成2年
第18回 [15] 平成7年
第19回 [16] 平成12年
第20回 [17] 平成17年
第21回 [18] 平成22年
第22回 [19] 平成27年

簡易生命表[編集]

完全生命表は5年毎に行われる国勢調査を基礎資料としており、速報性に欠けるため、昭和23年分以降、毎年、概算速報として簡易生命表が作成されるようになった。

基礎資料として、推計人口による日本人人口と人口動態統計(概数)が用いられる。

「昭和23年簡易生命表」は昭和26年に最初の簡易生命表として発行された。なお昭和23年簡易生命表には、昭和25年までに届け出られた昭和20・21年の死亡者(男女不明分については推計按分)を算入して試算された昭和20・21年の簡易生命表が付録されている。

都道府県別生命表・市区町村別生命表[編集]

国勢調査年の国勢調査データ、および調査年の前後3年間の人口動態データを基に、5年毎に作成される。

経験生命表[編集]

全国民ではなく、一部の統計をもとに作成される生命表である。代表的なものとして、日本の民間生命保険会社の契約の死亡統計に基づいて作成される「生保標準生命表」が挙げられる。

生命保険会社が作成する生命表は、加入者が健康チェックなどでフィルタされ、将来の医療技術等の発展などを加味されるので、国民生命表よりも余命が長い場合がある。

生命表の作成手順[編集]

生命表は加工統計(二次統計)であり、大雑把に下記の手順で作成される。

  1. 基礎資料の収集
    • 毎月、国に報告される男女別の出生数・年齢別の死亡者数(人口動態統計)
    • 毎年の年齢別人口
    • 後年、確定したり届け出られる過去の年月の死亡者数(補正に利用する)
  2. 基礎資料の補正
    • 過去の「後日、追加された死亡者数」から推測される死亡者の補正
    • 年齢・国籍不祥の資料の補正
  3. 粗死亡率の計算
    • 各階級の中央日(1歳階級なら7月1日)の死亡率の計算等
  4. 死亡率の補正と曲線化
    • 年齢層・社会状況等に基づく外挿による曲線化
  5. 生命表諸関数の計算

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ BABBAGE, Charles.(1886) A comparative view of the various institutions for the assurance of lives, London.
  2. ^ 簡易生命表 昭和23年・付録1(昭和26年発行)”. 2019年9月6日閲覧。
  3. ^ 生命表 第4回”. 2019年9月17日閲覧。
  4. ^ 生命表 第5回”. 2019年9月17日閲覧。
  5. ^ 生命表 第8回”. 2019年9月17日閲覧。
  6. ^ 生命表 第9回”. 2019年9月17日閲覧。
  7. ^ 生命表 第10回”. 2019年9月17日閲覧。
  8. ^ 生命表 第11回”. 2019年9月17日閲覧。
  9. ^ 生命表 第12回”. 2019年9月17日閲覧。
  10. ^ 生命表 第13回”. 2019年9月17日閲覧。
  11. ^ 生命表 第14回”. 2019年9月17日閲覧。
  12. ^ 生命表 第15回”. 2019年9月17日閲覧。
  13. ^ 第16回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。
  14. ^ 第17回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。
  15. ^ 第18回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。
  16. ^ 第19回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。
  17. ^ 第20回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。
  18. ^ 第21回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。
  19. ^ 第22回完全生命表”. 2019年9月17日閲覧。