犬学

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Cynology[訳語疑問点]、すなわち犬学(いぬがく[1]、けんがく[2])は、イヌ科に属する動物、すなわち飼いイヌや一般のイヌについての学問である。日本語においてはイヌ学という表記もみられる[3]

派生語にcynologist[訳語疑問点]、すなわち「犬学者」がある(後述)。

英語では、イヌのブリーダーやトレーナー[4][5]、非公式にイヌを研究している愛好家、そしてイヌに関連するテーマについて書いている作家[6][7]による、動物学的かつ真剣なイヌの研究を指すこともある。

本項目では特にことわりのない限り、英語における“cynology”、および印欧語におけるcynologyの同源語の運用について解説する。

語源[編集]

Cynologyは、イヌについての学問を意味する複合語(ギリシア語 κύωνkyōn属格である κυνόςkynos、すなわち"イヌ"と、 -λογία-logiaからなる単語)である。この単語は主要な英英辞典に載っておらず、英語圏の国において科学の学問として体系づけられていない。ドイツ語やオランダ語のkynologieや、hound(猟犬)という単語の由来であるインド・ヨーロッパ祖語*ḱwon-が語源であるロシア語のкинологияのように、これと類似した単語は他言語にみられる。

κυνという単語もまた、canine(イヌ科の)やhound(猟犬)という単語とつながりを持つ、cynic(犬儒学派)という英単語の語源になっている。

英語での用法[編集]

英語における「-logy」という接尾辞は、科学的研究における研究内容、学問、分野を意味する。この種類の英語の結合辞は科学と関係のない職業からすると、科学的に厳密であるという印象を受けるかもしれない。

"cynology"という英単語の使用は稀である。ときにイヌのしつけに関する学会の名前に用いられることもあり、その場合犬のトレーナーをcynologistと呼ぶこともある。非公式にイヌについて研究している人は、真剣な研究や科学的な仕事を示唆するために、自身を“cynologist”と呼ぶこともある[要出典]

イヌについての研究[編集]

一般に、犬に関する文献や側面、そしてその分野(ナショナルやジャパンケネルクラブ[8])の形式的な枠組みを熟知している人々によって、 イヌについての研究および事柄は研究と出版がされている。特に、生物学者遺伝学者動物学者動物行動学者や他の科学者、歴史学者、獣医、犬種の専門家によって研究されている。

非公式には、科学的な訓練を受けていない人がイヌを研究していることもある。例えば、広報担当者、作家、ブリーダー、トレーナー、警察犬、アニマルコミュニケーターなどが、文献、歴史、個人の経験を通して研究している。実際、役立つ本やビデオテープの多くはイヌの非公式な研究に基づいて作られている。ごく稀だが、自身を“cynologist”と呼ぶ人の中には、獣医学、犬の繁殖、その発展、そしてイヌに関する文学や歴史のようなものを研究していることもある。

他言語での用法[編集]

英語における“cynology”は、他のニュアンスや、英語以外の言語(ドイツ語のde:Kynologie、オランダ語のnl:Kynologie、チェコ語のcs:Sportovní kynologieを参照)で他の用法を含んでいるかもしれない。

“cynologist”という単語は「イヌの専門家」を指すことが多い。それは例えば、公認の医療専門家や審査員、ブリーダー、飼育するのが好きな人、公認のイヌのトレーナーやプロの調教師のような人のことである。

  • ロシアでは類似する単語がイヌの調教師やトレーナーの意味で使われる。[9][10]
  • アルメニアでは動物病院がイヌの訓練を補助するため、“cynologist”を提供した。[11]
  • 「バルト諸国のcynologyが発展するために捧げられた」バルト諸国のある雑誌(科学の専門雑誌ではなく趣味で作られた雑誌)には、イヌの訓練やショー、そして獣医学的な助言が書かれている。[12]

脚注[編集]

  1. ^ WorldCatにおける『イラストでみる犬学』(講談社、2000年)のリンクより。2015年11月25日閲覧。
  2. ^ WorldCatにおける『犬学講座-1-』(文永堂出版、1958年)のリンクより。2015年11月25日閲覧。
  3. ^ WorldCatにおける『愛犬と暮らす : 新イヌ学入門』(NHK学園、2000年)のリンクより。2015年11月25日閲覧。
  4. ^ ジェームズ・オヘア. “Cynology College”. advertisement. 2015年11月18日閲覧。 “Member, Association of Pet Dog Trainers”
  5. ^ Kinship Dog Trainer Training. “Become a Trainer”. 2015年11月18日閲覧。 “Receive a Canine Companions Diploma in Cynology and Certification as a Canine Companions Cynologist!”
  6. ^ P.バーンズ. “German Hunt Terriers”. The Terrierman. 2015年11月18日閲覧。 “Gruenewald was a "cynologist" (a self-styled dog man with an interest in genetics)”
  7. ^ cynologyやcynologistという単語の意味に関して信憑性を示すため、ウィクショナリーから以下の五つの引用文を用いた。
    • 1982年、The Journal of Comparative Medicine and Veterinary Archivesに、「ミルズ教授は、従来どの大学でも付随的に語られるだけの学問である『Cynology、イヌ、そしてイヌの病気』という題の講義で、すばらしい功績を残しており、...」と書かれている。
    • 1948年、マクミラン出版社のClifford L.B. Hubbard著のDogs In Britain という論文でビュフォンの表が、イヌの養成やその多様性、そして解析の土台となるcynologistsによる真剣な試みとして再現されている。
    • 1951年、アメリカン・マーキュリー誌に「cynologyの研究により、辞書において今世紀に、一般大衆がイヌをより高く評価するようになったことが明らかになった。」と書かれている。
    • 1985年、アメリカンケネルクラブが出版したThe Complete Dog Bookに、「ロットウェイラーとレオンバーガーが提携した1901年まではcynologyを解析することはイヌの養成にこれ以上何も言及することがなかった。」と書かれている。
    • 1990年、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツの「Theodicy: Essays on the Goodness of God, the Freedom of Man and the Origin of Evil」という本の中で、オースティン・ファラーは自己紹介の際に“cynology ”という単語を用いている。(online)
  8. ^ http://www.jkc.or.jp
  9. ^ Alexander Lyutin. “ON EXPERTS IN SYSTEM OF RUSSIAN ORGANIZED HUNTING DOG BREEFING”. 2015年11月18日閲覧。 “"expert cynologist certification" requires an "educational level not less than high school graduation"”
  10. ^ Customs Services. “Dogs's noses are not anachronism”. 2015年11月18日閲覧。 “Two years ago the cynologist group was filled up with the English cocker-spaniel assistants.”
  11. ^ Veterinary clinic in Armenia. “Zoosalon”. 2015年11月18日閲覧。 “Our professional cynologist will help with your dog training”
  12. ^ Amberdog”. 2015年11月25日閲覧。