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およそ2万年前には、盆地のほぼ全域が巨大湖であったが、[[最終氷期]]が終わり、気候が温暖化するにつれて乾燥化・縮小化が進み、終には現在の広大な砂漠になったと考えられている。「さまよえる湖」として知られる[[ロプノール]]は、タリム川の末端湖のひとつであり、この砂漠の北東端にあったが、上流にできた[[ダム]]などの影響で、現在は干上がっている。
およそ2万年前には、盆地のほぼ全域が巨大湖であったが、[[最終氷期]]が終わり、気候が温暖化するにつれて乾燥化・縮小化が進み、終には現在の広大な砂漠になったと考えられている。「さまよえる湖」として知られる[[ロプノール]]は、タリム川の末端湖のひとつであり、この砂漠の北東端にあったが、上流にできた[[ダム]]などの影響で、現在は干上がっている。


タリム盆地の地下に、[[五大湖]]の10倍にもなる大きさの地下水源の存在の可能性が指摘されている。塩分と二酸化炭素多く含有しているので、そのままでは飲用水・農業用水には利用できないとされる。
タリム盆地の地下に、[[五大湖]]の10倍にもなる大きさの地下水源の存在の可能性が指摘されている。塩分と二酸化炭素多く含まれているので、そのままでは飲用水・農業用水には利用できないとされる。
[[Image:Tarimbecken 3. Jahrhundert.png|300px|right|thumb|3世紀頃のタリム盆地の勢力図]]
[[Image:Tarimbecken 3. Jahrhundert.png|300px|right|thumb|3世紀頃のタリム盆地の勢力図]]

2015年12月8日 (火) 20:20時点における版

タリム盆地英語Tarim Basinウイグル語تارىم ئويمانلىقى中国語塔里木盆地)は、中央アジアにある内陸盆地である。東西1,400km、南北550kmにわたって広がり、総面積は560,000平方キロメートル。現在は中国新疆ウイグル自治区となっている。

NASAの衛星から見たタリム盆地

北に天山山脈、西にパミール高原カラコルム山脈、南に崑崙山脈アルチン山脈がある。盆地内の大部分はタクラマカン砂漠で占められており、周囲の山脈の雪解け水を源とするタリム川孔雀河などの内陸河川が流れている。

およそ2万年前には、盆地のほぼ全域が巨大湖であったが、最終氷期が終わり、気候が温暖化するにつれて乾燥化・縮小化が進み、終には現在の広大な砂漠になったと考えられている。「さまよえる湖」として知られるロプノールは、タリム川の末端湖のひとつであり、この砂漠の北東端にあったが、上流にできたダムなどの影響で、現在は干上がっている。

タリム盆地の地下に、五大湖の10倍にもなる大きさの地下水源の存在の可能性が指摘されている。塩分と二酸化炭素が多く含まれているので、そのままでは飲用水・農業用水には利用できないとされる。

3世紀頃のタリム盆地の勢力図

この盆地は古来中国で西域と呼ばれた地域で、シルクロードが通っており、楼蘭亀茲于闐といった多くのオアシス都市国家が栄え、覇を競った。現在は中国領であるが、テュルク系遊牧民だったウイグル人がいまも住んでおり、言語もウイグル語で文字はアラビア文字を使う。チベットと並んで民族問題を孕んだ地域である。

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