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[[ファイル:REmpire-09_Germania_Inferior.png|300px|thumb|ゲルマニア・インフェリオル属州の位置(120年頃のローマ帝国)]]
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'''ゲルマニア・インフェリオル'''({{lang-la|Germania Inferior}})は[[ローマ帝国]]の[[属州]]のひとつである。日本語では'''低地ゲルマニア'''、'''下ゲルマニア'''、'''遠ゲルマニア'''などと訳される。南に[[ガリア・ベルギカ]]、南東に[[ゲルマニア・スペリオル]](高地ゲルマニア、上ゲルマニア、近ゲルマニア)の各属州に面していた。
'''ゲルマニア・インフェリオル'''({{lang-la|Germania Inferior}})は[[ローマ帝国]]の[[属州]]のひとつである。日本語では'''低地ゲルマニア'''、'''下ゲルマニア'''などと訳される。南に[[ガリア・ベルギカ]]、南東に[[ゲルマニア・スペリオル]](高地ゲルマニア、上ゲルマニア)の各属州に面していた。


[[ライン川]]の左岸に位置し、その領域は、現在の[[オランダ]]南部と西部、[[ベルギー]]、[[ルクセンブルク]]、[[フランス]]北東部、および[[ドイツ]]西部にあたる。州都はコロニア・アグリッピネンシス(Colonia Agrippinensis)で、現在の[[ケルン]]にあたる。
[[ライン川]]の左岸に位置し、その領域は、現在の[[オランダ]]南西部、[[ベルギー]]、[[ルクセンブルク]]、[[フランス]]北東部、および[[ドイツ]]西部にあたる。州都はコロニア・アグリッピネンシス(Colonia Agrippinensis)で、現在の[[ケルン]]にあたる。


== 歴史 ==
== 歴史 ==

2014年7月12日 (土) 13:50時点における版

ゲルマニア・インフェリオル属州の位置(120年頃のローマ帝国)

ゲルマニア・インフェリオルラテン語: Germania Inferior)は、ローマ帝国属州のひとつである。日本語では低地ゲルマニア下ゲルマニアなどと訳される。南にガリア・ベルギカ、南東にゲルマニア・スペリオル(高地ゲルマニア、上ゲルマニア)の各属州に面していた。

ライン川の左岸に位置し、その領域は、現在のオランダ南西部、ベルギールクセンブルクフランス北東部、およびドイツ西部にあたる。州都はコロニア・アグリッピネンシス(Colonia Agrippinensis)で、現在のケルンにあたる。

歴史

ローマ軍が初めてこの地方に侵攻したのは、ガイウス・ユリウス・カエサルによるガリア戦争のときである。カエサルの侵攻は紀元前57年に行われ、その後3年間に、エブロネス族やメナピィ族など現地のベルガエ人を制圧した。

ゲルマニア・インフェリオルは、紀元前50年頃はまだガリア・ベルギカの一部であり、この頃からローマ人の植民地が築かれ始めた。90年にゲルマニア・インフェリオルはローマ帝国の属州となり、その後にローマ皇帝が直轄する皇帝属州となった。隣り合うゲルマニア・スペリオル属州と合わせてゲルマニアを構成する。

ゲルマニア・インフェリオルにはいくつかのローマ軍団が駐留し、彼らは EX.GER.INF(Exercitus Germania Inferior)の略称で表された。その中でも、第1軍団ミネルウィア第30軍団ウルピア・ウィクトリクスは長く当地に駐留し続けた。また、ローマ海軍もカストラ・ウェテラ(現:クサンテン)やアグリッピネンシスに駐留し、ライン川や北海沿岸の警備を勤めた。

主な植民都市

  • コロニア・アグリッピネンシス (Colonia Agrippinensis、州都、現ケルン
  • カストラ・ウェテラ (Castra Vetera、現クサンテン近く)
  • コロニア・ウルピア・トライアナ (Colonia Ulpia Traiana、現クサンテン近く)
  • ウルピア・ノウィオマグス・バタウォルム (Ulpia Noviomagus Batavorum、現ナイメーヘン
  • トライェクトゥム・アド・レヌム (Trajectum ad Rhenum、現ユトレヒト
  • アトゥトゥカ・トゥングロルム (Atuatuca Tungrorum、現トンヘレン
  • トルナクム (Tornacum、現トゥルネー
  • ボナ (Bona、現ボン

参考資料

  • Jona Lendering, De randen van de aarde. De Romeinen tussen Schelde en Maas, (2000 Amsterdam)

外部リンク