「反キリスト」の版間の差分

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==歴史上の用例==
==歴史上の用例==
* [[10世紀]]から[[12世紀]]までの[[西欧]]の写本(特に[[黙示録]]の写本挿絵)に、多くの場合人間と同様の姿で描かれた「反キリスト」の図像の登場例が複数存在する<ref>『岩波 キリスト教辞典』2002年</ref>。
* [[10世紀]]から[[12世紀]]までの[[西欧]]の写本(特に[[黙示録]]の写本挿絵)に、多くの場合人間と同様の姿で描かれた「反キリスト」の図像の登場例が複数存在する<ref>『岩波 キリスト教辞典』2002年</ref>。
* [[神聖ローマ皇帝]][[フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝)|フリードリヒ2世]]は、[[キリスト教徒]]と[[ムスリム|イスラム教徒]]が共存していた[[シチリア王国]]に育ち、そのため宗教上の偏見とは無縁であった。そのためカトリックとは距離を置いた政策をとり、武力を背景としつつも行使はせずに交渉によって聖地奪回を実現し、[[第6回十字軍]]を成功させた。しかし「イスラムを殺戮しなかった」ことの方が重要視されてその領国に法王軍の侵攻を受け、生涯反キリストと呼ばれ続けた。
* [[神聖ローマ皇帝]][[フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝)|フリードリヒ2世]]は、[[キリスト教徒]]と[[ムスリム|イスラム教徒]]が共存していた[[シチリア王国]]に育ち、そのため宗教上の偏見とは無縁であった。そのためカトリックとは距離を置いた政策をとり、武力を背景としつつも行使はせずに交渉によって聖地奪回を実現し、[[第6回十字軍]]を成功させた。しかし「イスラムを殺戮しなかった」ことの方が重要視されてその領国に教皇軍の侵攻を受け、生涯反キリストと呼ばれ続けた。
* [[プロテスタント]]では、[[宗教改革]]の先駆者[[ジョン・ウィクリフ]]、宗教改革者[[マルティン・ルター]]、[[ジャン・カルヴァン]]も、ローマ教皇を反キリストだと見なした。[[ウェストミンスター信仰告白]]は、イエス・キリストを教会の頭と告白し、その地位を[[僭称]]するローマ教皇を反キリスト、不法の人、滅びの子だと言った。
* [[プロテスタント]]では、[[宗教改革]]の先駆者[[ジョン・ウィクリフ]]、宗教改革者[[マルティン・ルター]]、[[ジャン・カルヴァン]]も、ローマ教皇を反キリストだと見なした。[[ウェストミンスター信仰告白]]は、イエス・キリストを教会の頭と告白し、その地位を[[僭称]]するローマ教皇を反キリスト、不法の人、滅びの子だと言った。
* [[17世紀]]にロシアで[[古儀式派]]の分離が起こると、古儀式派信徒は、[[ツァーリ]]と[[モスクワ総主教]]を反キリストとみなした。特に西欧化政策を掲げ古儀式派に熾烈な弾圧を加えた[[ピョートル1世]]はその典型とされ、憎悪の対象となった。<ref>I.S.ベーリュスチン著/白石治朗訳『十九世紀ロシア農村司祭の生活-付 近代ロシアの国家と教会-』中央大学出版部 1999 年 ISBN 4-8057-4132-5</ref>
* [[17世紀]]にロシアで[[古儀式派]]の分離が起こると、古儀式派信徒は、[[ツァーリ]]と[[モスクワ総主教]]を反キリストとみなした。特に西欧化政策を掲げ古儀式派に熾烈な弾圧を加えた[[ピョートル1世]]はその典型とされ、憎悪の対象となった。<ref>I.S.ベーリュスチン著/白石治朗訳『十九世紀ロシア農村司祭の生活-付 近代ロシアの国家と教会-』中央大学出版部 1999 年 ISBN 4-8057-4132-5</ref>

2013年10月31日 (木) 14:42時点における版

反キリスト ルーカス・クラナッハ1521年 ルーテル教会のクラナッハは、教皇冠をかぶる反キリスト、ローマ教皇の姿を描いた。

反キリスト(はんキリスト、Antichrist)は、イエス・キリストの教えに背く人。聖書では新約聖書ヨハネの手紙一(2:18、2:22、4:3)、ヨハネの手紙二(1:7)にのみ記述されている。ヨハネの手紙2章22節においては、イエスキリストであることを否定する者を反キリストであるとしている。キリスト教終末論においては、真実に対極し、悪魔の具現化であると解釈され、最後の審判の際に苦しみが与えられるとされ、救いは決して得られないとされる。

歴史上の用例

脚注

  1. ^ 『岩波 キリスト教辞典』2002年
  2. ^ I.S.ベーリュスチン著/白石治朗訳『十九世紀ロシア農村司祭の生活-付 近代ロシアの国家と教会-』中央大学出版部 1999 年 ISBN 4-8057-4132-5

関連項目