「クイックモーション」の版間の差分
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野村は最終的に「二盗をアウトにするためには投手の投げるモーションにかかる時間を短くする方法以外に手はない」という結論に達し、投球動作を素早くするクイックモーションを考案する。この提案は投手陣に当初は受け入れ難かったが次第に受け入れられていき、クイックモーションを更に進化させて足をほとんど上げずに投げる「すり足クイック」も考案した。 |
野村は最終的に「二盗をアウトにするためには投手の投げるモーションにかかる時間を短くする方法以外に手はない」という結論に達し、投球動作を素早くするクイックモーションを考案する。この提案は投手陣に当初は受け入れ難かったが次第に受け入れられていき、クイックモーションを更に進化させて足をほとんど上げずに投げる「すり足クイック」も考案した。 |
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1973年にクイックモーションを多用した南海 |
1973年にクイックモーションを多用した南海がリーグ優勝を果たした後、クイックモーションは他チームにも広まり盗塁を封じる投法として不可欠なものとなった。 |
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クイックモーションが浸透する以前は「盗塁を許したら捕手の責任」と言われていたが、これ以降「盗塁を刺すのは投手と捕手の共同作業」というのが一般的な見解となった。 |
クイックモーションが浸透する以前は「盗塁を許したら捕手の責任」と言われていたが、これ以降「盗塁を刺すのは投手と捕手の共同作業」というのが一般的な見解となった。 |
2012年2月11日 (土) 16:28時点における版
クイックモーションとは、投手が投球動作を小さく素早くすることで盗塁を防ぐ投法のこと。クイック投法、略してクイックとも呼ばれる。なお、クイックモーションという呼称は和製英語であり、メジャーリーグベースボール (MLB) 等ではスライドステップ(slide step) と呼ばれる。
概要
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足をマウンドからスライドさせるように投げたり、あらかじめテークバックを作り体をかがめて捻らせておくなど、何らかの投球動作を簡略化して投げる。
通常の投球と異なるメカニズムで投げるため、球速や制球が劣化する傾向がある。また、肩や肘などに負担が生じ、投手生命を脅かす場合すらある。このため、クイックモーションを用いずにセットポジションから牽制球を多投する事で走者の動きを封じようとする投手もいる。
左投げ投手は右足をまっすぐに上げた状態から、一塁牽制も投球もできるため使用しない場合が多い。
MLBではランナー無しからテンポの速いフォームや変則モーションで投げる投手が多く、また捕手の肩も強いため[要出典]、日本プロ野球に比べクイックを多用する投手が少ない。また、桑田真澄などクイックモーションに対し懐疑的な野球解説者もいる。
歴史
走者を刺すことを目的としたクイックモーションは1970年代前半に南海ホークスの選手兼任監督だった野村克也が通算1065盗塁の日本プロ野球記録を持つ阪急ブレーブスの福本豊の盗塁を阻止するため、ドン・ブレイザーヘッドコーチとともに考案した。
野村は福本の盗塁を阻止するために「ささやき戦術」「牽制球で悪送球させ、わざと進塁させて二塁で刺殺する」「牽制球で福本の脚にぶつける」「二死時に投手である前打者[1]を出塁させる」など、様々な案を考えたがどれも長続きせず、すぐに通用しなくなった。
当時の野村には「盗塁阻止3秒説」という持論があり、投手がモーションに入ってから捕手のミットに届くまでに約1.1秒、二塁に送球して走者にタッチするまでの時間を約1.8秒とし、合計約3秒で送球すれば盗塁した走者(福本)を刺せると考えていた。なお、当時の野村は現役晩年に差し掛かっており肩が衰えていた。
野村は最終的に「二盗をアウトにするためには投手の投げるモーションにかかる時間を短くする方法以外に手はない」という結論に達し、投球動作を素早くするクイックモーションを考案する。この提案は投手陣に当初は受け入れ難かったが次第に受け入れられていき、クイックモーションを更に進化させて足をほとんど上げずに投げる「すり足クイック」も考案した。
1973年にクイックモーションを多用した南海がリーグ優勝を果たした後、クイックモーションは他チームにも広まり盗塁を封じる投法として不可欠なものとなった。
クイックモーションが浸透する以前は「盗塁を許したら捕手の責任」と言われていたが、これ以降「盗塁を刺すのは投手と捕手の共同作業」というのが一般的な見解となった。