「舞踏への勧誘」の版間の差分

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『'''舞踏への勧誘'''』(ぶとうへのかんゆう、ドイツ語:Aufforderung zum Tanz)[[変ニ長調]][[作品番号|作品]]65は、[[カール・マリア・フォン・ウェーバー]]の[[ピアノ]]曲で最も有名な作品。[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]編曲による[[管弦楽]]版でも広く知られている。『'''舞踏への招待'''』(ぶとうへのしょうたい)などの訳もある。随所に一対の男女の姿を描写する部分があり、[[標題音楽]]を得意とする[[オペラ]]作家の作風があらわれている。
『'''舞踏への勧誘'''』(ぶとうへのかんゆう、[[ドイツ語]]:''Aufforderung zum Tanz'')[[変ニ長調]][[作品番号|作品]]65は、[[カール・マリア・フォン・ウェーバー]]の[[ピアノ]]曲で最も有名な作品。[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]編曲による[[管弦楽]]版でも広く知られている。『'''舞踏への招待'''』(ぶとうへのしょうたい)などの訳もある。随所に一対の男女の姿を描写する部分があり、[[標題音楽]]を得意とする[[オペラ]]作家の作風があらわれている。


== 楽曲構成 ==
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==ベルリオーズの管弦楽編曲版==
==ベルリオーズの管弦楽編曲版==
*[[1841年]]、パリ・[[オペラ座]]で[[魔弾の射手]]が上演された際、当時のフランス・オペラ上演の慣例により挿入された[[バレエ]]シーンのために編曲されたもの。編曲者はウェーバーを崇拝しており、魔弾のパリ上演もその尽力で実現した。
[[1841年]]、パリ・[[パリ国立オペラ|オペラ座]]で[[魔弾の射手]]が上演された際、当時のフランス・オペラ上演の慣例により挿入された[[バレエ]]のために編曲されたもの。ベルリオーズはウェーバーを崇拝しており、魔弾の射手』のパリ上演もその尽力で実現した。ベルリオーズは最初「ウェーバーに対する冒涜に当たらないか?」となかなか筆を進めなかったが、結局後世に残る名編曲に仕立て上げた。管弦楽を考慮して[[ニ長調]]に変えている


[[1911年]]、[[バレエ・リュス]]により'''薔薇の精'''』(''Le Spectre de la rose'' )の名でバレエとして上演された。[[テオフィル・ゴーティエ]]の詩による物語で、[[ミハイル・フォーキン]]の振り付け、[[レオン・バクスト]]の美術による。[[ヴァーツラフ・ニジンスキー]]が薔薇の精を演じ、この役はニジンスキーの名を不朽のものとした。
*ベルリオーズは最初「ウェーバーに対する冒涜に当たらないか?」となかなか筆を進めなかったが、結局後世に残る名編曲に仕立て上げた。管弦楽を考慮して[[ニ長調]]に変えている。

*[[1911年]]、[[バレエ・リュス]]により'''薔薇の精''' Le Spectre de la roseの名でバレエとして上演された。[[テオフィル・ゴーティエ]]の詩による物語で、[[ミハイル・フォーキン]]の振り付け、[[レオン・バクスト]]の美術による。[[ヴァーツラフ・ニジンスキー]]が薔薇の精を演じ、この役はニジンスキーの名を不朽のものとした。


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2008年9月13日 (土) 02:37時点における版

舞踏への勧誘』(ぶとうへのかんゆう、ドイツ語Aufforderung zum Tanz変ニ長調作品65は、カール・マリア・フォン・ウェーバーピアノ曲で最も有名な作品。ベルリオーズ編曲による管弦楽版でも広く知られている。『舞踏への招待』(ぶとうへのしょうたい)などの訳もある。随所に一対の男女の姿を描写する部分があり、標題音楽を得意とするオペラ作家の作風があらわれている。

楽曲構成

ロンド形式

Moderato

導入部とされている。男性が女性を勧誘する場面。左手で主和音のアルペジョと右手がそれに応える形で属調に終止する。

Allegro vivace

舞踏。非常に華やかでなおかつ音量も大きい。音階進行も多く優雅さにも配慮している。接続曲風で、同時代に作曲されたショパンの『華麗なる大円舞曲』と構成が類似している。

最後に冒頭の導入部が繰り返され、舞踏の幕が閉じる。

ベルリオーズの管弦楽編曲版

1841年、パリ・オペラ座で『魔弾の射手』が上演された際、当時のフランス・オペラ上演の慣例により挿入されたバレエのために編曲されたもの。ベルリオーズはウェーバーを崇拝しており、『魔弾の射手』のパリ上演もその尽力で実現した。ベルリオーズは最初「ウェーバーに対する冒涜に当たらないか?」となかなか筆を進めなかったが、結局後世に残る名編曲に仕立て上げた。管弦楽を考慮してニ長調に変えている。

1911年バレエ・リュスにより『薔薇の精』(Le Spectre de la rose )の名でバレエとして上演された。テオフィル・ゴーティエの詩による物語で、ミハイル・フォーキンの振り付け、レオン・バクストの美術による。ヴァーツラフ・ニジンスキーが薔薇の精を演じ、この役はニジンスキーの名を不朽のものとした。