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2008年8月30日 (土) 06:08時点における版
リバースグリッド (Reverse Grid) とは、自動車やオートバイのレースでスタンディングスタートを採用している場合に、レーススタート時に車の並ぶ順番を、ある一定の範囲で予選順位(もしくは前レースの順位)の悪い方から並べる手法である。
背景
通常レーススタート時の車の並ぶ順番は、事前に行われる予選でのタイムの速い順となるのが一般的である。しかしその場合、予選タイムの最も速い車がポールポジションを得るため、その車がスタートを失敗するか、もしくは何かアクシデントが起きない限りそのまま先頭を独走してしまう可能性が高く、興行としてのレースの面白みが薄れてしまう。そこで純粋な速さを競うよりも、興行としてのレースの面白さを優先させた結果生まれたのがリバースグリッドである。
リバースグリッドでは予選タイムの速い車がレーススタート時に後方の位置(グリッド)に配置される。その状態でレースが始まると、前方にいる車よりも後方の車の方が絶対的な速さで上回っていることから、必然的にコース上での追い越し(パッシング)が増えることになる。さらに遅い車を追い抜こうとする後方の車と、何とかして抜かれまいとする前方の車との間の駆け引きなども楽しめることから、興行としての面白みが増すというメリットがある。
しかし、かといって予選タイムの速い車をあまりにも後方のグリッドに配置すると、その車が前方の車を追い抜くのにもたついている間に前方の(予選タイムの遅い)車が逃げ切ってしまうため、最終的なレース結果が正当なドライバーやマシンの実力を反映しないものになってしまう。また、前方のグリッドを得るために予選でわざと手を抜く(三味線を弾く)ドライバーが増える可能性もある。
そのため実際にレースでリバースグリッドを採用する場合は、その範囲を予選タイムの上位8番手程度に限る(つまり予選タイム1位の車は8番目のグリッドからスタートする)、もしくは世界ツーリングカー選手権で採用されているように、1回の興行で2レースを行い、1レース目は通常のグリッド配置、2レース目はリバースグリッドでスタートするなど、予選タイムの速いものが必要以上にレースで不利にならないような配慮がなされるのが一般的である。
リバースグリッドを採用している主なカテゴリー
現在使用中
- GP2
- 世界ツーリングカー選手権
- F3ユーロシリーズ(2006年より)
- インディ・プロ・シリーズ(2007年より)
- フォーミュラ・ニッポン(2008年より一部のイベントに限って採用)
- スピードカー・シリーズ
など
オートレースのスタートにおけるハンデキャップ制(ハンデレース)も、リバースグリッドとは異なるが、基本的な発想としては共通のものといえる。