「Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/タニワタリノキ連 20231024」の版間の差分

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::* 種ごとの説明の典拠……見栄えが悪くなる事を恐れ、「下位分類」節の最初に〈POWO (2023) が出典〉と書く General Reference 方式としてしまいました。しかし[[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方]]では2022年以降はもうこの形式の使用はやめてくれという旨の事が記されています上、Kingfiserさんのコメントにより私の想定してきた設計は[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]、読者視点の見やすさどちらを取っても完全に失敗しているものと結論付け、Inline Citation方式に切り換えました。--[[利用者:エリック・キィ|Eryk Kij]]([[利用者‐会話:エリック・キィ|会話]]) 2023年10月28日 (土) 15:52 (UTC)
::* 種ごとの説明の典拠……見栄えが悪くなる事を恐れ、「下位分類」節の最初に〈POWO (2023) が出典〉と書く General Reference 方式としてしまいました。しかし[[Wikipedia:出典を明記する#出典の示し方]]では2022年以降はもうこの形式の使用はやめてくれという旨の事が記されています上、Kingfiserさんのコメントにより私の想定してきた設計は[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]、読者視点の見やすさどちらを取っても完全に失敗しているものと結論付け、Inline Citation方式に切り換えました。--[[利用者:エリック・キィ|Eryk Kij]]([[利用者‐会話:エリック・キィ|会話]]) 2023年10月28日 (土) 15:52 (UTC)
::: {{返信|[[User:エリック・キィ|Eryk Kijさん]]}} 迅速な修正お疲れさまでした。''Cephalanthus glabrifolius'' の足し忘れや系統樹中の和名を書く位置など私もなかなかアホなミスをしておりましたね。修正ありがとうございます。ちなみにあの後、仮名転写はありますが新たに和名の出典を見つけましたので追記しておきます(まだ確認していませんが多分 ''Myrmeconauclea'' ミルメコナウクレア も塚谷裕一 (2001)『植物のこころ』にあります)。敷石状や覆瓦状の前に説明を置くという和訳はお見事だったと思います。また superobvolute という単語自体は私も初めて見たのですが、Razafimandimbison (2002) で convolute と表現されていたので convolute (supervolute) と解釈して訳しました。間違っていないことは確かですが、ここは注釈があってもいいかもしれません。系統樹に関しては、旧来考えられてきたある群が別の群に内包され、多系統状になってしまうことがままあります。Wikipedia上の系統樹の描画についてはやはり慣れた人間の方が作りやすいと思うので、他の記事等でも困った際は声をかけてもらえればと思います。--[[利用者:Kingfiser|Kingfiser]]([[利用者‐会話:Kingfiser|会話]]) 2023年10月28日 (土) 17:10 (UTC)
::: {{返信|[[User:エリック・キィ|Eryk Kijさん]]}} 迅速な修正お疲れさまでした。''Cephalanthus glabrifolius'' の足し忘れや系統樹中の和名を書く位置など私もなかなかアホなミスをしておりましたね。修正ありがとうございます。ちなみにあの後、仮名転写はありますが新たに和名の出典を見つけましたので追記しておきます(まだ確認していませんが多分 ''Myrmeconauclea'' ミルメコナウクレア も塚谷裕一 (2001)『植物のこころ』にあります)。敷石状や覆瓦状の前に説明を置くという和訳はお見事だったと思います。また superobvolute という単語自体は私も初めて見たのですが、Razafimandimbison (2002) で convolute と表現されていたので convolute (supervolute) と解釈して訳しました。間違っていないことは確かですが、ここは注釈があってもいいかもしれません。系統樹に関しては、旧来考えられてきたある群が別の群に内包され、多系統状になってしまうことがままあります。Wikipedia上の系統樹の描画についてはやはり慣れた人間の方が作りやすいと思うので、他の記事等でも困った際は声をかけてもらえればと思います。--[[利用者:Kingfiser|Kingfiser]]([[利用者‐会話:Kingfiser|会話]]) 2023年10月28日 (土) 17:10 (UTC)
: {{コメント}}執筆お疲れ様でした。「下位分類」以降については(正確性については評価できませんが、近隣分野の読者が一読して)良質な記事としての基準をはるかに超えた網羅性と綿密性を備えていると思います。大半は日本国外に産する種ということで検索表などの需要(jawpにあることの意義)は正直そんなに高くはないと思うのですが、貴重な日本語文献という意味で、この分野に入ったばかりの学部生とかハイアマチュアには有用なものだと思いますし、同様の分類学記事の手本となるものとして良質な記事にふさわしいと思います。[[利用者:Kingfiser|Kingfiser]]さんの加筆により系統関係が図示されたことで見通しもすごく良くなりました。
: ただ、賛成票を投じる前に少し注文させていただきたいのは、初学者に向けた可読性です。「歴史」節も、貴重な情報のまとめになっていると思うのですが、いかんせん記述が詳細に入りすぎていて、この分野に疎い人が要旨を掴みにくい書き方になっていると思います。本当は、より専門に遠い方の意見を聞いた方がいいと思うのですが、とりあえず私の思った点をいくつか。

: * 最初の「タニワタリノキ連下に置くか否か」をとっても時期を追って述べているのはいいのですが、最初から「Naucleeae というナウクレア属(Nauclea)をタイプ属とする連の呼称自体は...」と始まると、「タイプ属」という概念がわからないとついていけなくなってしまうし、昔の人がなぜそんな枠組みを作ったのかも分からないので、多くの初心者は脱落してしまうと思います。私が読み取る限り大事なのは「ナウクレア属を中心とする、頭状花序を有する植物たちの緩やかなまとまりが昔から認識されていたが、その定義には変遷があった。しかしその後分子系統学的な方法によりその範囲が明確に定まった。」ということかなと思うので、それが分かるリード文を節の最初に置いてあげるのが親切かなと思います。あと、各研究者の定義でどの属がタニワタリノキ連に含まれるのか、表のようなものでまとめていただけるとありがたいです。
: * 「カトウ・チャカ」についての記述について、何が問題なのかがいまいち(私にも)分かりませんでした。そもそもリンネは「カトウ・チャカ」を紹介したRheede(1682)(ちなみにこれは2. ヘンドリク・アドリアーン・フォン・レーデ・トート・ドラーケステインの「マラバル植物園」のことであっていますか?補足していただけるとありがたいです)を、どのように言及しているのでしょうか?なぜ「バンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみ」なのでしょうか?他の図版はバンカルを指しているのではなくて別の種として言及しているなら、バンカルの学名には影響しないのではないですか?これもちょっとリード文か何かで全体の要旨を補足していただけると幸いです。
: * 「クビナガタマバナノキの学名の混乱」は言っていることは分かったのですが、「カトウ・チャカ」もそうですが、タニワタリノキ連という項目で紹介する意義があまり感じられません。種レベルでみれば有効な学名が混乱するというのは結構よくある話で、とりわけタニワタリノキ連が特徴的とは思えません。むしろここにあると、読者がここで脱落して(より大事な)下位分類の検索表やoverviewが目立たなくなってしまいませんか。各種の項目で説明すれば良いのではないでしょうか。各種の立項に手間がかかるのでとりあえずここに置いておくというのであれば反対はしませんが。
: * あと、「歴史」節とは関係ないですが、ここはjawpなので、日本との関わりをもう少し記述できるともう少しとっつきやすい記事になるかなと思いました。「分布」節に日本での分布についてより詳しく述べるとか。あるいは各種の日本国内での利用・栽培状況を述べるとか。

: 以上、あくまで参考程度にしていただければ幸いです。繰り返しになりますが、非専門家による意見が必要だと思いますので、賛否は保留したいと思います。どうぞよろしくお願い足します。--[[利用者:YockeyT|YockeyT]]([[利用者‐会話:YockeyT|会話]]) 2023年11月3日 (金) 01:47 (UTC)

2023年11月3日 (金) 01:47時点における版

タニワタリノキ連ノート / 履歴 / ログ / リンク元

選考終了日時:2023年11月7日 (火) 14:46 (UTC)

  • (推薦)上記記事を自薦致します。現時点で利用可能な主題に関連する文献を考えられる限り網羅し、同連の属全てに関する情報とそれぞれの属の区別法に関しまして、検索表を用いたり関連項目への誘導を行ったりする形で説明を尽くす事ができたと考えられます。更に同連下の種同士の混同が分類史にもたらした影響を事件簿的エピソードとして追加する事により、より読者の関心を惹きやすい内容に仕上げたつもりでございます。以上が自薦理由となります。

 現時点で考えられる懸念要素に関しましてはノートをご参照頂ければ幸いに存じます。

 本記事は私が初版を作成した記事の中では月間新記事賞における得票率が最も伸びた部類に入り(12得点; 2022年2月度において)、改善の上で自薦を行いたいと考えておりました。一度査読依頼の段階を経る事も検討致しましたが、本記事は先に公開した同連下の一属ミトラガイナ属についての記事を査読依頼に提出した際に数々の課題が浮き彫りとなり、その反省点を踏まえて作成の上、今日に至るまでそうした課題点を全て潰すべく自発的な修正を重ねてきたものであります為、一つ段階を飛ばして自薦を行う事とした次第です。

 なお、投票の際は講評の言葉を共に添えて頂ければ幸いに存じます。--Eryk Kij会話2023年10月24日 (火) 14:46 (UTC)[返信]

賛成 まずは、記事の作成と改稿、お疲れさまでした。専門用語も多く、訳しにくい部分も多かったと存じますが、よく訳されていたと思います。この手の分類群は日本語で用いることができる文献も少ないと思いますので、そういった意味で有用な記事だと思います。また、分類史は理系の人間には手薄になりがちな領域なので詳しくカバーされているのは良い点だと思いました(構成としては位置は後にあったほうがいいかもしれません。)。
  • 次に内容に関してですが、一通り目を通しました。表記と用語で気になったところはこちらで手直ししてみました。主な改善内容として、表記の改善については、例えば遺伝子名を斜体に、ハイフンマイナスとenダッシュを区別、ラテン文字の前後に半角スペースを挿入などで、用語の改訳については、形状を表す用語(narrowlyは狭~ etc.)、APG IVのクレード名、形態学・植物学用語(terminal vegetative bud を栄養成長性の頂芽に etc.)、ICN 2018 日本語版における日本語(種名≠種形容語、nomen superfluum は不要名 etc...)などです。詳細は差分を比較してもらえればと思います。植物形態学の用語については、本文中でも引用している清水 (2001) などで確認できます。よろしければ今後参考になさってください。
  • また、やはり分類群の記事なのにほかの群との系統関係や内部系統関係について記述がないのはいただけないので分子系統解析に基づく分岐図(系統樹; 「樹形図」とは異なります)を追加してみました。比較的上位の分類階級を扱う上で、名前を列挙することというだけでは不十分で、少なくとも何と何が姉妹群で近縁である、くらいの情報は欲しいです。今後の研究の進展もあるでしょうが、それはそういうものとして扱うしかないと思います。
  • 加えて、「下位分類」の節には「各属の詳細」(もと「属の一覧」)節がありますが、現在のままでは一覧性が少し悪いです。下位分類の解説としてあるべき姿は、現在のような各論よりは、含められている分類群がどのようにまとめられているかということだと思います。クレードによる定義が一般的となった今でもリンネ式階層分類体系が長く用いられてきているのはやはりその分かりやすさからだと思っています。そのため、亜連とそこに含まれる属を示し、代表種数種を取り上げるのが理想の形と考えています。画像は Template:multiple image などを用いて各属1種ずつ抜き出してまとめて表せばいいでしょうかね。各属に個別の記事がない今の状態でその措置を行うのは乱暴なので、そこは元のまま保持することにしました。ご検討のほどよろしくお願いします。前記の変更をするとそもそも意味のないものになってしまうのですが、節名は完結なほうが望ましいので学名を著者とともに引用するのはなくてもよいかなと思っております(もちろん本文中では必要ですが)。今のところ和名は取りましたが、著者名はそのままにしてあります。もし特段の理由がなければ消してしまっても良いと思います。
  • ちなみに脚注の引用形式が Harvcoltxt を使ったものなのですが、これは何か理由がありますか?Sfn を使った方がスマートかと思うのですが…。良質な記事選出に当たりもう一つ注文を付けるなら、今のところ種ごとの説明に関しては出典が省かれていますが、これも逐一あった方が望ましいと思います。
結局注文が多くなってしまいましたが、現在の状況でも良質な記事としては十分な品質なのではないかと思います。--Kingfiser会話2023年10月28日 (土) 11:01 (UTC)[返信]
返信 (Kingfiserさん宛) 貴重な時間を割いて頂き、誠にありがとうございます。以下、この度改善頂きました箇所や指摘された箇所に関してのコメントとなります。
  • Sylvainia 属……自薦して「文献を考えられる限り網羅し」等と豪語する前に、私は一旦Googleで Naucleeae と検索しておくべきでございました。不覚でございます。それでも驚いてはおりません。全体的に隔離分布の傾向が目立つヤマタマガサ属の中にあってさえあまりにも浮いた分布域や、これまでの研究で導き出されてきた樹形図もとい系統樹におけるどことなく不気味な位置取りから、Cephalanthus natalensis に新属が用意されるのは時間の問題と考えておりました。
  • Infoboxに属一覧を掲載……非常に助かりました。従来版では一覧性の悪さを薄々気にしており、全属を導入部か最初の方の節に列挙したかった一方、17属ともなりますと多いので左記の方法では構造が馬鹿馬鹿しいものになってしまわないかと懸念し、何も手を打ちませんでした。Infoboxの活用は全く考え付きもしませんでした。私はここ一年ほどで以前よりは何事に関しても臨機応変に対応できるようになってきたつもりではあったのですが、まだまだ頭が固かったですね。
  • 系統樹……特に Löfstrand et al. (2014) のものに関してとなりますが、この様に融通を利かせた書き方があったのかと感服致しました。私はと言いますと固定観念に陥り、属単位できっちり分ける事にばかり囚われておりました為、マルバハナダマ属 (Neonauclea) が Ludekia 属と混ぜこぜとなっていたり一部属が欠けていたりするのを見て「これは使ってはならない」と判断してしまいました。そうではなく、補足説明を添えて対応という形で誠実さを確保するアプローチは十分に有効そうであると分かり、正直胸を撫で下ろしております。
  • 用語の日本語訳…… terminal vegetative bud、adpressed、imbricate、supervolute はランダムハウス頼りのままでは限界がございましたので助かりました。今回の選考から少々逸脱しかねない余談となりますが、このうち imbricate に関してはどう考えても valvate〈敷石状〉の対立概念として用いられているとしか考えられない事例が多々見られ、「鱗」もとい「(覆)瓦」と「敷石」という日本語から一般の読者がどういう対立の仕方であるのか少々想像しにくいのではと懸念した結果、前者に「重なり合う」、後者に「重なり合わない」という一言を加えるという工夫を行っております。
  • 図版の視認性……こちらに関しても薄々気にしておりました。<hr />を使用するという手がございましたか。名案ですので、今後必要となった場合に他記事でも使用して参りたい所存です。
  • 下位分類解説の将来のあり方について……Kingfiserさんほど深くは考えてはおりませんでしたものの、属ごとに個別記事が作成された場合に簡略化を図る事のみは漠然と考えて参りました(現にヨヒンベノキ属作成後にこの様な内容削減を実施しております)。確かに、Romero et al. (2023) を除いて最新かつ体系的な論考と考えられる Löfstrand et al. (2014) でも亜連で綺麗にまとめられている状態ですので、今後各属の個別記事化が進んだ暁には仰せの通り亜連を以って括り、最低限の種のみを取り上げる形式に切り替える事を視野に入れて検討する事と致します。
  • 節名中の命名者情報……今改めて振り返りますと心底蛇足と思えました為、撤去致しました。この記事の少し前に作成したミサオノキにおける Randia caudatifolia Merr., nom. illeg.ミトラガイナ属における Hallea J.-F.Leroy, nom. illeg. の様なシノニムを節名とする際に同名の無関係な学名の存在を気にするあまり、命名者情報等を附さなければ気が済まなくなっていたのですが、今振り返りますとこうした措置自体が過敏気味ですし、今回に関してはそのような問題を抱える学名は全く存在しない為、完全に無益と再評価致しました。
  • {{Harvcoltxt}}……個人的にこちらの方が{{Sfn}}よりも使い慣れております。この件に関しましては、今後Sfnの説明書を熟読するようには致しますが、すぐに編集姿勢を切り換える事は難しいかも知れません。ご了承下さい。
  • 種ごとの説明の典拠……見栄えが悪くなる事を恐れ、「下位分類」節の最初に〈POWO (2023) が出典〉と書く General Reference 方式としてしまいました。しかしWikipedia:出典を明記する#出典の示し方では2022年以降はもうこの形式の使用はやめてくれという旨の事が記されています上、Kingfiserさんのコメントにより私の想定してきた設計は検証可能性、読者視点の見やすさどちらを取っても完全に失敗しているものと結論付け、Inline Citation方式に切り換えました。--Eryk Kij会話2023年10月28日 (土) 15:52 (UTC)[返信]
返信 (Eryk Kijさん宛) 迅速な修正お疲れさまでした。Cephalanthus glabrifolius の足し忘れや系統樹中の和名を書く位置など私もなかなかアホなミスをしておりましたね。修正ありがとうございます。ちなみにあの後、仮名転写はありますが新たに和名の出典を見つけましたので追記しておきます(まだ確認していませんが多分 Myrmeconauclea ミルメコナウクレア も塚谷裕一 (2001)『植物のこころ』にあります)。敷石状や覆瓦状の前に説明を置くという和訳はお見事だったと思います。また superobvolute という単語自体は私も初めて見たのですが、Razafimandimbison (2002) で convolute と表現されていたので convolute (supervolute) と解釈して訳しました。間違っていないことは確かですが、ここは注釈があってもいいかもしれません。系統樹に関しては、旧来考えられてきたある群が別の群に内包され、多系統状になってしまうことがままあります。Wikipedia上の系統樹の描画についてはやはり慣れた人間の方が作りやすいと思うので、他の記事等でも困った際は声をかけてもらえればと思います。--Kingfiser会話2023年10月28日 (土) 17:10 (UTC)[返信]
コメント執筆お疲れ様でした。「下位分類」以降については(正確性については評価できませんが、近隣分野の読者が一読して)良質な記事としての基準をはるかに超えた網羅性と綿密性を備えていると思います。大半は日本国外に産する種ということで検索表などの需要(jawpにあることの意義)は正直そんなに高くはないと思うのですが、貴重な日本語文献という意味で、この分野に入ったばかりの学部生とかハイアマチュアには有用なものだと思いますし、同様の分類学記事の手本となるものとして良質な記事にふさわしいと思います。Kingfiserさんの加筆により系統関係が図示されたことで見通しもすごく良くなりました。
ただ、賛成票を投じる前に少し注文させていただきたいのは、初学者に向けた可読性です。「歴史」節も、貴重な情報のまとめになっていると思うのですが、いかんせん記述が詳細に入りすぎていて、この分野に疎い人が要旨を掴みにくい書き方になっていると思います。本当は、より専門に遠い方の意見を聞いた方がいいと思うのですが、とりあえず私の思った点をいくつか。
* 最初の「タニワタリノキ連下に置くか否か」をとっても時期を追って述べているのはいいのですが、最初から「Naucleeae というナウクレア属(Nauclea)をタイプ属とする連の呼称自体は...」と始まると、「タイプ属」という概念がわからないとついていけなくなってしまうし、昔の人がなぜそんな枠組みを作ったのかも分からないので、多くの初心者は脱落してしまうと思います。私が読み取る限り大事なのは「ナウクレア属を中心とする、頭状花序を有する植物たちの緩やかなまとまりが昔から認識されていたが、その定義には変遷があった。しかしその後分子系統学的な方法によりその範囲が明確に定まった。」ということかなと思うので、それが分かるリード文を節の最初に置いてあげるのが親切かなと思います。あと、各研究者の定義でどの属がタニワタリノキ連に含まれるのか、表のようなものでまとめていただけるとありがたいです。
* 「カトウ・チャカ」についての記述について、何が問題なのかがいまいち(私にも)分かりませんでした。そもそもリンネは「カトウ・チャカ」を紹介したRheede(1682)(ちなみにこれは2. ヘンドリク・アドリアーン・フォン・レーデ・トート・ドラーケステインの「マラバル植物園」のことであっていますか?補足していただけるとありがたいです)を、どのように言及しているのでしょうか?なぜ「バンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみ」なのでしょうか?他の図版はバンカルを指しているのではなくて別の種として言及しているなら、バンカルの学名には影響しないのではないですか?これもちょっとリード文か何かで全体の要旨を補足していただけると幸いです。
* 「クビナガタマバナノキの学名の混乱」は言っていることは分かったのですが、「カトウ・チャカ」もそうですが、タニワタリノキ連という項目で紹介する意義があまり感じられません。種レベルでみれば有効な学名が混乱するというのは結構よくある話で、とりわけタニワタリノキ連が特徴的とは思えません。むしろここにあると、読者がここで脱落して(より大事な)下位分類の検索表やoverviewが目立たなくなってしまいませんか。各種の項目で説明すれば良いのではないでしょうか。各種の立項に手間がかかるのでとりあえずここに置いておくというのであれば反対はしませんが。
* あと、「歴史」節とは関係ないですが、ここはjawpなので、日本との関わりをもう少し記述できるともう少しとっつきやすい記事になるかなと思いました。「分布」節に日本での分布についてより詳しく述べるとか。あるいは各種の日本国内での利用・栽培状況を述べるとか。
以上、あくまで参考程度にしていただければ幸いです。繰り返しになりますが、非専門家による意見が必要だと思いますので、賛否は保留したいと思います。どうぞよろしくお願い足します。--YockeyT会話2023年11月3日 (金) 01:47 (UTC)[返信]