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「切土」の版間の差分

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'''切土'''(きりど)とは、高い地盤・斜面を切り取って低くし、平坦な地表を作る、あるいは周囲より低くする工事。また、その工事で切り取った土砂のこと。山間部の工事では切土部分と[[盛土]]部分の体積を近づけ、切土を盛土に用いることで建設コストを安くできる。
'''切土'''(きりど)とは、高い地盤・斜面を切り取って低くし、平坦な地表を作る、あるいは周囲より低くする工事。また、その工事で切り取った土砂のこと。山間部の工事では切土部分と[[盛土]]部分の体積を近づけ、切土を盛土に用いることで建設コストを安くできる。


連続的な切土により周囲の土地より低くして[[鉄道]]や[[道路]]を通した部分は'''割'''(ほりわり)という。
連続的な切土により周囲の土地より低くして[[鉄道]]や[[道路]]を通した部分は'''割'''(ほりわり)という。
[[画像:Kuji Tsudayama 06a2345as.jpg|thumb|200px|right|国道246号線の切土部分]]
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[[画像:Mejirodai-sta2.JPG|thumb|200px|right|京王高尾線[[めじろ台駅]]付近の掘割]]
[[ファイル:Mejirodai-sta2.JPG|thumb|200px|right|京王高尾線[[めじろ台駅]]付近の掘割]]
[[画像:North end of Farringdon station.jpg|thumb|200px|right|割に作られた[[ロンドン地下鉄]](左)および[[ネットワーク・レール]]の線路(都心部の[[ファリンドン駅]]付近)]]
[[ファイル:North end of Farringdon station.jpg|thumb|200px|right|割に作られた[[ロンドン地下鉄]](左)および[[ネットワーク・レール]]の線路(都心部の[[ファリンドン駅]]付近)]]
== 割 ==
== 割 ==
鉄道・道路を建設する際、[[丘陵]]地などで線路・道路の通る部分のみを深く掘り下げ、その底に線路・道路を建設することがあり、これを割という。丘などの斜面に左右されないため勾配が緩和されるほか、割区間では交差する交通とは必然的に異なる面に位置するため[[立体交差]]にできる。また、首都圏の外環道や常磐道、名古屋圏の名古屋高速や東名阪道のように、都市近郊の高速道路では高架による日陰問題や騒音問題を回避する目的で掘割(もしくは蓋掛けの掘割)を採用する区間も多い。
鉄道・道路を建設する際、[[丘陵]]地などで線路・道路の通る部分のみを深く掘り下げ、その底に線路・道路を建設することがあり、これを割という。丘などの斜面に左右されないため勾配が緩和されるほか、割区間では交差する交通とは必然的に異なる面に位置するため[[立体交差]]にできる。また、首都圏の外環道や常磐道、名古屋圏の名古屋高速や東名阪道のように、都市近郊の高速道路では高架による日陰問題や騒音問題を回避する目的で掘割(もしくは蓋掛けの掘割)を採用する区間も多い。


特に[[ニュータウン]]で鉄道や[[バイパス道路]]が建設される際には[[平面交差]]を防ぐ観点から割による区間が多く、鉄道では割と[[高架橋|高架]]の利用によって[[踏切]]がない路線(例:[[東急田園都市線]])、道路では一般道でも[[高速道路]]と同等の設備を有する場合がある。
特に[[ニュータウン]]で鉄道や[[バイパス道路]]が建設される際には[[平面交差]]を防ぐ観点から割による区間が多く、鉄道では割と[[高架橋|高架]]の利用によって[[踏切]]がない路線(例:[[東急田園都市線]])、道路では一般道でも[[高速道路]]と同等の設備を有する場合がある。


割に駅を作る場合を、[[割駅]]という。
割に駅を作る場合を、[[割駅]]という。


なお、[[ロンドン]]では都心部で鉄道を通すのに割が多く用いられており、英語では「shallow trench(浅い溝)」などと表現される<ref>[[:en:Embankment tube station]]などで見られる。</ref>。
なお、[[ロンドン]]では都心部で鉄道を通すのに割が多く用いられており、英語では「shallow trench(浅い溝)」などと表現される<ref>[[:en:Embankment tube station]]などで見られる。</ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [http://www.recycle.jacic.or.jp/ 建設副産物情報センター]
* [http://www.recycle.jacic.or.jp/ 建設副産物情報センター]


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2010年1月22日 (金) 01:44時点における版

切土(きりど)とは、高い地盤・斜面を切り取って低くし、平坦な地表を作る、あるいは周囲より低くする工事。また、その工事で切り取った土砂のこと。山間部の工事では切土部分と盛土部分の体積を近づけ、切土を盛土に用いることで建設コストを安くできる。

連続的な切土により周囲の土地より低くして鉄道道路を通した部分は掘割(ほりわり)という。

国道246号線の切土部分
京王高尾線めじろ台駅付近の掘割
掘割に作られたロンドン地下鉄(左)およびネットワーク・レールの線路(都心部のファリンドン駅付近)

掘割

鉄道・道路を建設する際、丘陵地などで線路・道路の通る部分のみを深く掘り下げ、その底に線路・道路を建設することがあり、これを掘割という。丘などの斜面に左右されないため勾配が緩和されるほか、掘割区間では交差する交通とは必然的に異なる面に位置するため立体交差にできる。また、首都圏の外環道や常磐道、名古屋圏の名古屋高速や東名阪道のように、都市近郊の高速道路では高架による日陰問題や騒音問題を回避する目的で掘割(もしくは蓋掛けの掘割)を採用する区間も多い。

特にニュータウンで鉄道やバイパス道路が建設される際には平面交差を防ぐ観点から掘割による区間が多く、鉄道では掘割と高架の利用によって踏切がない路線(例:東急田園都市線)、道路では一般道でも高速道路と同等の設備を有する場合がある。

掘割に駅を作る場合を、掘割駅という。

なお、ロンドンでは都心部で鉄道を通すのに掘割が多く用いられており、英語では「shallow trench(浅い溝)」などと表現される[1]

関連項目

参照

  1. ^ en:Embankment tube stationなどで見られる。

外部リンク