漢字

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日本では、中国大陸より輸入された文字やそれに類する(日本で独自に発明された)形態・機能を持つ日本語の文字を漢字と呼ぶ。表意文字の一種で、表音文字であるかな(ひらがなかたかな)と並んで日本語の主要な文字となっている。

漢字は、中国、台湾韓国ベトナムなどで、文字表記のための手段として用いられている。但し、当然ながら、これらの国々では字の種類や書体、読みなどがそれぞれ異なっており、漢字以外の文字との併用も見られる(韓国では漢字使用は減りつつあり、ベトナムでは漢字はほとんど用いられない)ため、完全に文字体系を共有しているわけではない。

漢字は、必ずしも一字一字が形態として独特であるわけではなく、複数の漢字に共通の部分が存在する。へん、かんむり、たれ、つくり、などの呼び名が、字の構成上の位置などに基づいてこれらの共通部分に与えられる。 非常に単純なつくりの漢字を除けば、多くの漢字はこれらの共通部分を少なくともひとつ、含んでいる。また、共通部分は、場合によってはそれ自体が独立した文字としても存在している場合もある。 これらの内、一部の共通部分は部首と呼ばれ、漢字の分類検索の手がかりとして重要な役割を果たす。

日本語における文字の使用は5世紀から6世紀頃の漢字の輸入と共に始まり、漢字を元に平安時代初期にかながつくられたとされる。

現在、書籍コンピューター文書などの印刷に使用されている漢字の書体は明の時代に確立された明朝体が中心である。この起源を遡ると、後漢末期に確立された楷書に行き着くとされる。


漢字の読み方(発音)

日本においては、ひとつの漢字には多くの異なる発音があることが多い。また、ある発音を持つ漢字が多数あることも珍しくない。

読み方は「音読み」と「訓読み」の2種類に大別される。

音読みは、中国起源の読み方であり、呉音漢音唐音の3種類があるとされる。

5-6世紀頃の漢字の輸入は、中国南部の呉地方からであるとされる。この際に伝わった漢字の読み方は今日「呉音」と呼ばれる。他に、奈良時代に盛んに送られた遣唐使(主な渡航先は北部の長安)では、日本に伝えられた漢字の読みとは異なる読みが普通であったことから、奈良時代から平安時代にかけて、現在「漢音」と呼ばれる読み方が輸入される。更に鎌倉時代から室町時代にかけて、禅僧関連書の伝来と共に「唐音」と呼ばれる読み方が伝わった。

訓読みは、個々の漢字が表す意味を既に存在していた日本語と関連づけることで、日本語の表記にも用いた。この際の漢字の読み方が現在の訓読みの起源となっている。

関連項目: 漢字をめぐる政策 万葉仮名