ザ・シークレット

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ザ・シークレット
The Secret
著者 ロンダ・バーン
訳者 山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子
発行日 アメリカ合衆国の旗 2006年11月26日
日本の旗 2007年11月20日
発行元 アメリカ合衆国の旗 Atria Books
Beyond Words Publishing
日本の旗 角川書店
ジャンル 自己啓発書スピリチュアル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語スペイン語
形態 ハードカバー
ページ数 318
公式サイト 日本語版公式サイト(角川書店)
コード ISBN 978-4047915572
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ザ・シークレット』(The Secret)は、ロンダ・バーン著の自己啓発書である。原著は2006年に刊行され、日本語訳は2007年に角川書店から刊行された。「引き寄せの法則」を主題とする。書籍版だけでなく映画DVD版(en:The Secret (2006 film))もある。後者には書籍版で発言が引用される人々へのインタビューが収められている。

バーンは、本書でいう「秘密」はユダヤ教キリスト教イスラム教仏教ヒンドゥー教バビロニア人やエジプト人の文明や錬金術でも伝えられている、と主張している。「秘密」とは「引き寄せの法則」の知識と実践である。古来から多くの有名な文人、芸術家がその作品を通じて「引き寄せの法則」の強力さを表現してきた、とも述べる。

主張される効用

自分と似た者同士が引き合うという「引き寄せの法則」を掲げ、例えば富についてのみ考えることで富を得、豊かさのみ考えることで豊かさを引き寄せることができるとする。不快な気持ちを抱くと同じような思考が延々と続いてしまうのも、「引き寄せの法則」が発動するからであるとしている。

「引き寄せの法則」によれば、欲しいものをイメージし、なおかつほとんどそれのみを考え続けることができれば、その欲しいものを手に入れることができる。

己の思考を知り、それを変えるための助けとして瞑想が勧められている。

主張される原理

思考や事象には特定の周波数が存在しており、思考やイメージが宇宙に放たれることによって、その周波数に対応する事象が引き寄せられる。本書によれば思考が全ての原因である。この考えによれば肥満の原因は過食や遺伝子の特徴や体内器官の失調によるものでは無い。それは「太った考え」を隠すために人々が当てはめているものにすぎない。

「明かされた秘密」という章には量子物理学者フレッド・アラン・ウオルフの発言が引用されており、それによると「マインド(創造的思考力)なくしては宇宙は存在し得ないことが、量子力学によって発見されています」。他の量子物理学者ジョン・ハガリンの名と言葉も挙げられており、量子力学が説明原理として援用されていることが伺える。

批判

ウオルフは『ザ・シークレット』では科学的な発言が大量に削られ単純な内容だけが残されたと語っている。彼自身は引き寄せの法則が物理学に則っているとは全く言っていないという[1]。著書の中ではむしろ「量子力学は、人間の力の限界を指示しているようである。」「今のところ、我々が観察するものの大半は、その観察によってなんの影響も受けていない」[2]と記している。宗教についても、「引き寄せの法則」の現世での願いの実現、人間の力を巨大とみなす発想と、キリスト教における神と来世を重視する発想の違いが指摘されている。ザ・シークレットの批判書『ザ・シークレットの真実』には「神は私利私欲に応えてくれる万能のサンタクロースではない」と述べる牧師オリヴァー・トーマスの言葉が引用されている[3]。このほか、同書では「引き寄せの法則」に結び付けられる過去の著名人の事例を挙げ、彼らの生涯や成功を収めるまでの実践との間に大きな差異があることを指摘している。

DVD

  • THE SECRET アウルズ・エージェンシー販売、2008年

関連書籍

  • ロンダ・バーン『ザ・シークレット』山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子訳、角川書店、2007年 ISBN 978-4047915572
  • ポール・ハリントン『ザ・シークレット to TEEN』山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子訳、角川書店、2010年 ISBN 978-4047916302
  • カレン・ケリー『ザ・シークレットの真実 偉人たちが富を築いた「本当の秘密」』早野依子訳、PHP研究所、2007年 ISBN 978-4569696805

出典

  1. ^ カレン・ケリー著『ザ・シークレットの真実』144-145ページ
  2. ^ カレン・ケリー著『ザ・シークレットの真実』157ページ
  3. ^ カレン・ケリー著『ザ・シークレットの真実』184ページ

外部リンク