清拭

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清拭(せいしき、: bed bath)は、入浴シャワーを浴びることの出来ない患者、病弱な高齢者皮膚の汚れを落とす目的で体を拭いてあげること[1]。ただし、清拭は、単に体の清潔を保つ(保清)だけではなく、マッサージ効果もあり血行も改善が期待できるし、何より親密なコミュニケーションも生まれ、心身に良い影響を与えることができる。看護現場では、「ベットバス」あるいは、「BB」ということもある。

概要[編集]

頭髪を除く全身の皮膚を清潔にするのを全身清拭、一部分に施行する場合を部分清拭という。病状により、全身清拭が、患者の負担になる場合は、部分清拭を2日から3日に分けて行うこともある。清拭の方法には、お湯石鹸を使うやり方、お湯を使うやり方、お湯と沐浴剤を用いるやり方がある。皮膚に紅斑丘疹(きゅうしん)、水疱などがあって掻痒感(かゆみ)等がある場合には、ハッカ湯、よもぎ湯などを用いるやり方や、オリーブ油で汚れを一度とってからお湯で拭くというやり方もある。また、背部に熱いタオルを当てて、蒸らすような熱布清拭もある。それぞれ患者の状態に合わせて清拭の方法を選択し、皮膚の汚れを取り除いて、患者に気持ちよさをもたらすことが求められる[2]

実施[編集]

清拭を行う際には、まず患者の了解を得て、先に排泄を済ませてもらってから、室温を24程度に調整し、すきま風やエアコンの風が患者に直接当たらないようにする。洗面器に50℃から55℃くらいのお湯を用意し、差し湯用にピッチャーにも熱いお湯を用意する[3][4]。洗面器のお湯が冷めてきたら、そこに継ぎ足すため。あとは終了後に体を拭く乾いたタオルと着替えの下着も用意する。

全身清拭(complete bed bath)[編集]

頭皮を除く全身の皮膚を清拭するもの。原則として、汚れの少ないところから、汚れの度合の高いところへと進める。 一般には、頭、耳、首、上肢、胸部、腹部の順。その後で、背部、腰部、下肢、あるいは下肢、背部、腰部と進む。最後が、陰部。 患者が自分でできそうなところは、熱いタオルを渡して自分でやってもらう。手、足はお湯の入った洗面器につけて、手浴、足浴を組み合わせて実施する。足湯は、リラックス効果が大きい。

部分清拭(partial bed bath)[編集]

上半身、下半身、あるいは背部だけというふうな清拭。患者が消耗している場合や清拭を好まないような場合、全身清拭を2日から3日くらいに分けて計画的に実施する。 また、排泄物吐瀉物が体についたり、発汗などで部分的に汚れたりという場合も、部分清拭をする。

清拭車[編集]

清拭に必要なタオルを加湿したり、保温することの出来る装置で、車がついていて押して、移動することが出来るもの。水で絞ったタオルを加温器に入れて、タオルを熱くする。60℃以上になると、取り出すのにゴム手袋が必須になる。

参考資料[編集]

  • NTT東日本関東病院看護部『完全版 ビジュアル臨床看護技術ガイド: 全51看護技術』木下佳子、照林社、2015年2月、第3版。ISBN 9784796523400
  • 『看護学事典』見藤隆子、小玉香津子、菱沼典子、日本看護協会出版会、2003年5月、373頁。ISBN 481800992XNCID BA62090855

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ https://ansinkaigo.jp/knowledge/718 安心介護、介護の基礎知識 2018.4.11.閲覧
  2. ^ 看護学事典 2003, p. 373.
  3. ^ 看護学事典 2003, p. 374.
  4. ^ https://www.kango-roo.com/kokushi/kako/detail/4299/2 看護師国家試験に過去出題された問題。日常生活援助技術の出題例。50~55℃で正しい。以下の清拭車の加温器でのタオルの加熱も60℃で正しい。その他の部分については、過去の国家試験問題のトップページを参照のこと。https://www.kango-roo.com/kokushi/kako/