ウッディー島

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ウッディー島
外交紛争のある島
現地名:
英語: Woody Island
中国語: 永兴岛
ベトナム語: Đảo Phú Lâm
Aerial view of Woody Island.jpg
2009年のウッディー島
地理
ウッディー島の位置(南シナ海内)
ウッディー島
所在地 南シナ海
座標 北緯16度50分0.4秒 東経112度20分39.6秒 / 北緯16.833444度 東経112.344333度 / 16.833444; 112.344333座標: 北緯16度50分0.4秒 東経112度20分39.6秒 / 北緯16.833444度 東経112.344333度 / 16.833444; 112.344333
所属群島 西沙諸島(パラセル諸島)
実効支配
 中国
海南省
地級市 三沙市
領有権主張
 中華民国
 ベトナム
人口統計
人口 1,443人 (2014年[1]現在)

ウッディー島(ウッディーとう、英語: Woody Island)、永興島(えいこうとう、中国語簡体字: 永兴岛)またはフーラム島[2](フーラムとう、ベトナム語: Đảo Phú Lâm / 島富林)は、西沙諸島(パラセル諸島)にある。同諸島で最大の島である[3][注 1]

地勢[編集]

西沙諸島(パラセル諸島)北東部のアンフィトリテ諸島[4]英語: Amphitrite Group中国語: 宣徳環礁)に属し、同諸島の北方にある岩礁群[注 2]とともに環礁を形成している。また、北東にある石島とは道路で接続されている。

サンゴ礁に囲まれた平坦な島である。面積は2.1平方キロメートルで、平均海抜は5メートル。

気候は熱帯に属し、平均気温は26.5℃。

領有をめぐる状況[編集]

アンフィトリテ諸島。南側の島がウッディー島

ベトナム台湾中華民国)も領有権(主権)を主張している。1974年の西沙諸島の領有権をめぐるベトナム共和国(南ベトナム)との西沙諸島の戦いに勝利した中華人民共和国が、以降ウッディー島を含む西沙諸島全体を実効支配している。

中国による実効支配の状況[編集]

中国は領有権紛争のある南シナ海の島礁群を南海諸島と呼んで、その全体を海南省三沙市としている。そして、ウッディー島を南海諸島の中心とするべくあらゆる施設を建設し既成事実化を進めている。

島は航空海事軍事基地となっており、直径1.6km程度の島からはみ出すように延長2,700mもの滑走路が建設され[5]、さらに3,000mに拡張されて軍民両用になっている[3][6]。また、2015年10月にはJ-11等の戦闘機の展開が、2016年2月には長距離地対空ミサイルHQ-9の配備が確認されている[7][8]。2017年4月にはアメリカのシンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)が、同島で3月に中国のJ-11戦闘機が約1年ぶりに確認されたことを明らかにした[9]

三沙市議事堂が置かれている。三沙市は南海諸島全体を管轄していることになっているが、実質は中国が実効支配している西沙諸島を管轄している。三沙市の住人のほとんどがこの島に住んでおり、三沙市議事堂は軍・政府関係者など1,000人程度のための議事堂である。

2015年には幼稚園や小学校が[10]、2017年には映画館が開設された[11]

歴史[編集]

  • 1932年 - フランスが占拠[12]
  • 1939年 - 日本が占拠[12]
  • 1956年 - 中国人民解放軍が本島を含むアンフィトリテ諸島に進駐[12]
  • 1959年 - 広東省海南行政区の弁事処が設置される[12]
  • 1974年 - ベトナム共和国(南ベトナム)と中華人民共和国の紛争(西沙諸島の戦い)の末、中華人民共和国が西沙諸島全体を占拠。
  • 1988年 - 中華人民共和国が島に空港と港を建設する。
  • 2012年 - 中華人民共和国国務院が三沙市の設置を承認し、市政府をウッディー島に置くと発表[13]

交通[編集]

中国、海南島三亜市の文晶との間に定期貨客船の琼沙3号が就航している[12]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 中国南海諸島と呼ぶ地域においても最大の島である。
  2. ^ 中国では七連嶼と呼んでいる。

出典[編集]

  1. ^ “China building school on island in South China Sea” (英語). サウスチャイナ・モーニング・ポスト. (2014年6月16日). http://www.scmp.com/news/china/article/1533249/china-building-school-island-south-china-sea 2017年7月28日閲覧。 
  2. ^ 【中国軍2機米機接近】米軍の電子偵察機EP3に約15メートルまで異常接近 数十メートル急降下 南シナ海上空 産経ニュース、2016年5月19日
  3. ^ a b “中国、西沙諸島に民間航空路線…管轄の市長表明”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2016年3月6日). オリジナル2016年3月20日時点によるアーカイブ。. https://archive.is/kVr4d 2017年6月2日閲覧。 
  4. ^ 南シナ海における中国の海洋進出および「海洋権益」維持活動について (PDF) 国立国会図書館調査及び立法考査局外交防衛課 小谷俊介、レファレンス 平成25年11月号
  5. ^ 読売新聞、2014年11月14日
  6. ^ 中国、南シナ海で滑走路拡張「あらゆる軍用機離発着が可能に」 産経ニュース、2014年8月19日
  7. ^ 平成28年版防衛白書 2 軍事 防衛省・自衛隊
  8. ^ 南シナ海ミサイル危機、「習・オバマ陽光会談」今や昔 日本経済新聞、2016年2月24日
  9. ^ パラセル諸島に中国の戦闘機 衛星写真で1年ぶりに確認”. ニューズウィーク日本版. トムソンロイター・ジャパン、CCCメディアハウス (2017年4月8日). 2018年2月3日閲覧。
  10. ^ 中国が南シナ海で「既成事実化」を推進 年内に永興島に軍民共用空港を開設、全島でWiFi利用可能に サーチナ、2016年1月16日
  11. ^ “【緊迫・南シナ海】中国、パラセル諸島に初の映画館 生活施設で既成事実化、ハーグ仲裁裁定に対抗”. 産経ニュース. (2017年7月23日). http://www.sankei.com/world/news/170723/wor1707230023-n1.html 2017年7月27日閲覧。 
  12. ^ a b c d e 混迷の東アジア海洋圏 -新たな海洋秩序構築に向けて- (PDF) 海洋政策研究財団編
  13. ^ 中華人民共和国民政部「民政部关于国务院批准设立地级三沙市的公告」(2012年6月21日)

外部リンク[編集]