母斑

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母斑(ぼはん)とは、皮膚の奇形を表す言葉である。ただし、世間的には母斑=ホクロ、母斑=血管腫という意味合いで使われてしまっていることが多い。日本では慣用的に母斑症(phakomatosis)との診断名でまとめられることも多いが、phakomatosisという病名は国際的には使われない方向にある[1]

母斑の医学的意味[編集]

遺伝的または胎生的要因により、神経堤に生じた発生異常(異常増殖)が原因で、メラニン細胞にもシュワン細胞にも分化できなかった分化能力不充分な細胞[2]による皮膚の奇形をいう。細胞自体は異常はないが、ある特定の細胞数が通常の場合より多かったり少なくなったりする。なお、皮膚以外の他の器官にも母斑性病変が生じる場合があり、それを母斑症(ぼはんしょう)と呼ぶ。内部リンク参照のこと。

組織学的には

  1. 境界母斑 - 母斑細胞は表皮真皮接合部に限局している
  2. 真皮内母斑 - ほぼ完全に真皮に限局している
  3. 複合母斑 - 表皮真皮接合部および真皮内にメラニン細胞の細胞巣

に3分類される。

多くは真皮内母斑であるが、境界母斑からは高率に悪性黒色腫に変化するとされている[2]。特に、有毛性で直径20cmを越える巨大な母斑細胞母斑は獣皮様母斑と呼ばれ、悪性黒色腫を発生しやすいとされている[1]

アメリカ合衆国でのコホート研究によれば、既知の乳癌危険因子で調整した上で、母斑数を層別化し乳癌相対リスクを求めた結果、 母斑数が血漿ホルモン値を反映し、母斑数が多い女性の乳癌リスクは高かったとする報告がある[3]

母斑の例[編集]

治療[編集]

レーザー療法[編集]

ポートワイン母斑と呼ばれる赤あざ、赤ちゃんにもできるもりあがった赤あざ・イチゴ状血管腫、顔にできる青あざの太田母斑、蒙古斑、茶色いあざ・扁平母斑、黒子が集まったような色素性母斑。これらのあざの種類や治療の段階によって、使用するレーザーは異なる。数ヶ月おきにレーザー照射を繰り返すことであざはだんだんとうすくなってゆく[4]

出典[編集]

  1. ^ a b 母斑と神経皮膚症候群 北海道大学 大学院医学研究科・医学部 皮膚科 (PDF)
  2. ^ a b 外耳の母斑細胞母斑2症例 臨床耳科 Vol.14 (1987) No.1 p438-439
  3. ^ ほくろが多いほど乳癌になりやすい -母斑数は女性ホルモンレベルを反映、コホートの前向き解析の結果- 日経メディカルオンライン 記事:2014年6月30日
  4. ^ 葛西形成外科”. あざの治療. 葛西形成外科. 2011年8月17日閲覧。

関連項目[編集]