標準数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

標準数

  1. JIS Z 8601。製品などの寸法を選ぶための工業規格(JIS Z 8601)による基準値。この項目で記述。
  2. JIS C 5063。IECなどで抵抗器の抵抗値などを決める場合に用いる数値(JIS C 5063)。標準数列。この項目で記述。
  3. JIS B 0601。製品などの表面粗さ等で用いる指示値。標準値。

標準数(ひょうじゅんすう,Preferred number)は等比数列(隣合う数値の比が一定)を丸めたもので、機器の寸法や値などを決める場合に用いる。

歴史[編集]

1877年-1879年頃に当時フランスの軍人であったシャルル・ルナール気球の多種多様なロープの太さをまとめようとしたのがはじまりでルナール数とも呼ばれる。

例えば、4mmのロープ径で不足の場合、1mmプラスした5mmのものが好ましい。一方、40mmのロープの場合、1mmプラスの41mmでは使用上大差がない。この場合、実用上の経験則などから40mmに10mmプラスした50mmのものが好ましい。このように等比数列を用いる。

一見して、先頭(最上位桁)が 1 や 2 である数が多く、8 や 9 の数が少ないことがわかるが、その解説はベンフォードの法則の記事を参照のこと。

JIS Z 8601の標準数[編集]

値はISO 3(日本ではJIS Z 8601)で定められており、R5、R10、R20、R40、R80が制定されている。

R5~R80系列表[編集]

R5 R10 R20 R40 R80
1.00 1.00 1.00 1.00 1.06 1.00 1.03 1.06 1.09
1.12 1.12 1.18 1.12 1.15 1.18 1.22
1.25 1.25 1.25 1.32 1.25 1.28 1.32 1.36
1.40 1.40 1.50 1.40 1.45 1.50 1.55
1.60 1.60 1.60 1.60 1.70 1.60 1.65 1.70 1.75
1.80 1.80 1.90 1.80 1.85 1.90 1.95
2.00 2.00 2.00 2.12 2.00 2.06 2.12 2.18
2.24 2.24 2.36 2.24 2.30 2.36 2.43
2.50 2.50 2.50 2.50 2.65 2.50 2.58 2.65 2.72
2.80 2.80 3.00 2.80 2.90 3.00 3.07
3.15 3.15 3.15 3.35 3.15 3.25 3.35 3.45
3.55 3.55 3.75 3.55 3.65 3.75 3.87
4.00 4.00 4.00 4.00 4.25 4.00 4.12 4.25 4.37
4.50 4.50 4.75 4.50 4.62 4.75 4.87
5.00 5.00 5.00 5.30 5.00 5.15 5.30 5.45
5.60 5.60 6.00 5.60 5.80 6.00 6.15
6.30 6.30 6.30 6.30 6.70 6.30 6.50 6.70 6.90
7.10 7.10 7.50 7.10 7.30 7.50 7.75
8.00 8.00 8.00 8.50 8.00 8.25 8.50 8.75
9.00 9.00 9.50 9.00 9.25 9.50 9.75
R5 R10 R20 R40 R80

JIS C 5063の標準数列[編集]

同様に、抵抗器キャパシタなどの受動素子の値についても、誤差(公差、許容差)を考慮した等比数列による数列表がJIS C 5063で規格化されており、こちらはE系列と呼ばれる。E3からE192まである。

E系列の値は、対数目盛の上に振ると、ほぼ等間隔となる(2.2と3.3など、対数で等間隔に並べることより、使い勝手を優先した値もある)。

現実には、特に電子回路においてはトランジスタなど半導体素子の特性値の方が温度のわずかな変化によって大きくばらつくこと、アナログ電圧センサ等一部の回路を除いて、特性値のある程度のばらつきは回路設計段階で吸収できること、また、異常電流に対する保護やノイズ吸収など、特性値から多少値がずれても問題のない使われ方をする素子も多いため、許容差のある程度大きい素子でも問題ない場合が多い。

電子回路に用いられる抵抗器は一般にはE24(許容差5%)が最高で、厳密さが求められる特殊なケースでE48(許容差2%)、E96(許容差1%)が使われることがある。DIYなど一品ものの場合は、必要な精度を持つ測定器で測定して現物合わせなどで済ませることもある。

考え方としては、それぞれの代表値に対して隙間無く上下に誤差の幅があるので、たとえば抵抗器なら、目標の抵抗値を決めて抵抗器を作るのではなく、とにかく作ってから測定した結果で振り分ける、といったことが可能である。実際には、昨今市販されているE24系列の抵抗器などは、誤差はもっと小さいので、半端な値のものが欲しい時に複数個買って望みの値のものを探す、といったことは不可能であり、普通は、別の抵抗を直列や並列につないで望みの値になるよう調整する。

キャパシタ、特によく使われるセラミックキャパシタにおいては、製造技術上特性値の精度の高い素子を作ることが難しいため、許容差10%~20%程度(E6,E12)の製品が多い。尚、近年は製造技術の向上により、実際の製品の特性値は公称の許容差よりも1ランク以上狭い範囲に収まっている場合も多い。

E3~E96系列表[編集]

E3~E24は、E48~E96の部分集合ではないのに注意

E3
許容差40%
E6
許容差20%
E12
許容差10%
E24
許容差5%
E48
許容差2%
E96
許容差1%
10 10 10 10 100105 100102105107
11 110115 110113115118
12 12 121127 121124127130
13 133140 133137140143
15 15 15 147154 147150154158
16 162169 162165169174
18 18 178187 178182187191
20 196205 196200205210
22 22 2222 215226 215221226232
24 237249 237243249255
27 27 261274 261267274280
30 287301 287294301309
33 33 33 316332 316324332340
36 348365 348357365374
39 39 383402 383392402412
43 422442 422432442453
47 47 47 47 464487 464475487499
51 511536 511523536549
56 56 562590 562576590604
62 619649 619634649665
68 68 68 681715 681698715732
75 750787 750768787806
82 82 825866 825845866887
91 909953 909931953976
E3E6E12E24E48E96

関連項目[編集]