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数学における有限次元分布(ゆうげんじげんぶんぷ、英: finite-dimensional distributions)とは、測度論および確率過程の分野に登場するある道具のことを言う。ある測度(あるいは過程)のある有限次元ベクトル空間(あるいは有限時間の全体)への上への「射影」を調べることで、多くの情報が得られる。
測度の有限次元分布[編集]
をある測度空間とする。
の有限次元分布とは、任意の可測函数
,
に対する押し出し測度(英語版)
のことを言う。
確率過程の有限次元分布[編集]
をある確率空間とし、
をある確率過程とする。
の有限次元分布とは、
に対する直積空間
上の押し出し測度
![{\displaystyle \mathbb {P} _{i_{1}\dots i_{k}}^{X}(S):=\mathbb {P} \left\{\omega \in \Omega \left|\left(X_{i_{1}}(\omega ),\dots ,X_{i_{k}}(\omega )\right)\in S\right.\right\}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/59fcb22dd876d2cb93879247025c6a093032ac51)
のことを言う。
この条件は頻繁に、可測な長方形領域を用いて次のように表現される。
![{\displaystyle \mathbb {P} _{i_{1}\dots i_{k}}^{X}(A_{1}\times \cdots \times A_{k}):=\mathbb {P} \left\{\omega \in \Omega \left|X_{i_{j}}(\omega )\in A_{j}\mathrm {\,for\,} 1\leq j\leq k\right.\right\}.}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/d63f816309242edc1609da207865f544f9b6b482)
ある過程
の有限次元分布の定義は、次のようにして測度
の定義と関連付けられる:
の法則(英語版)
とは、
から
への函数の全体
上のある測度であったことを思い出されたい。一般に、これは無限次元空間となる。
の有限次元分布は、有限次元直積空間
上の押し出し測度
である。ここで
![{\displaystyle f:\mathbb {X} ^{I}\to \mathbb {X} ^{k}:\sigma \mapsto \left(\sigma (t_{1}),\dots ,\sigma (t_{k})\right)}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/39274a48e9827835d68e89d7bdf57482fb8f341d)
は自然な「時間
での評価」の函数である。
緊密性との関連[編集]
確率測度の列
が緊密で、
のすべての有限次元分布が対応するある確率測度
の有限次元分布に弱収束(英語版)するなら、
は
に弱収束する。
関連項目[編集]