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方沸石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
方沸石(Analcime)
ロシアのツングースカ地方産、ほぼ無色の24面体方沸石(size: 4,3 x 4,1 x 3 cm)
分類 沸石
シュツルンツ分類 09.GB.05
化学式 NaAlSi2O6·H2O
結晶系 規則的な六面体;正方晶、斜方晶、および単斜晶、擬立方晶
晶癖 一般的に結晶で、通常、小さな物も大きな物も凧形二十四面体
双晶 集片双晶[001], [110]
へき開 とても低い [100]
断口 貝殻状に近い不平坦状
モース硬度 5 - 5.5
光沢 玻璃光沢
白色、無色、灰色、ピンク, 淡い緑、淡い黄色
条痕 白色
比重 2.24 - 2.29
光学性 等方性;変則的一軸 (-)
屈折率 n = 1.479 - 1.493
可融性 3.5
その他の特性 弱い圧電性:こすったり、加熱時に静電気を生じる
文献 [1]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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方沸石(ほうふっせき、英: Analcime またはanalcite)は、白か灰色、または無色のテクトケイ酸塩鉱物である。立方晶系のケイ酸アルミニウムナトリウムからなり、化学式はNaAlSi2O6·H2Oで表される。まれにナトリウムが、カリウムカルシウムに置き換わる。担体合成品も存在する。ナトリウムがアンモニウムイオンに置換し、脱水するとアンモニウム白榴石となる。

通常、沸石に分類されるが、構造的化学的には準長石に近い。玄武岩や、その他のアルカリ性火成岩中の一次鉱物として形成される。また、ぶどう石英語版方解石と共に、沸石内の空洞内などにも形成される。

語源

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擦ると弱い電気が発生する事から、ギリシャ語で「弱い」を意味する「ἀναλκής」(ラテン文字翻字analkis) から名付けられた。1797年ルネ=ジュスト・アユイによって、イタリアシチリア島東側のサイクロプス海岸イタリア語版で見つけたと記載されている[2][3]

出典

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  1. ^ Handbook of Mineralogy, Mineral Data Publishing
  2. ^ R.J. Haüy (1797): Analcime. In: Journal des Mines, Bd. 5, Seite 278 (PDF 108,2 kB)
  3. ^ R.J. Haüy (1801): Traité de minéralogie. Chez Louis, Paris, Bd. 3, Seiten 180–185

参考文献

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  • Hurlbut, Cornelius S.; Klein, Cornelis, 1985, Manual of Mineralogy, 20th ed., ISBN 0-471-80580-7

外部リンク

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