教義学
教義学(きょうぎがく、英語: Dogmatic theology, ドイツ語: Dogmatik)は聖書で教えられている神についての諸真理を組織的、体系的に論述しようとする学問である。教義学は釈義神学、聖書神学、弁証学、実践神学、歴史神学などの神学諸学科の中でも中心的な位置を占め、その内容は、神論、人間論、キリスト論、救済論、教会論、終末論から成り立っている。
正教会においては定理神学と訳される。これはドグマ(dogma)が「定理」と訳されたことによる[1]。また教義神学の訳語も散見される[2]。
歴史[編集]
1659年のLucas Friedrich Reinhart(1623-1688)の『教義学概論』で初めて、書籍の題名に教義学という名称が用いられた[3]。それ以降、シュッドの『教義神学』、ハーマン・バーヴィンクの『改革派教義学』、ユリウス・カフタン『キリスト教教義学』、カール・バルトの『教会教義学』などによって広く用いられた。
教会の信条との相違点[編集]
教義学は、教会の教義の作成を目的としている。教会の信条とは以下の二点において異なる。
- 教会の信条は簡潔であり、キリスト教にとって最も本質的な教理に限定されている。しかし、教義学はもっと、詳細に叙述されており、包括的な内容である。
- 教会の信条は、教会会議によって公的に承認されているので権威と伝統がある。しかし、教義学はそのような権威を帯びてはない。
主な教義学者[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 松田一男「教義学」『新キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年、293-294ページ