撒菱
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撒菱(まきびし)とは、忍者が用いる道具のひとつ。逃げる途中にばら撒くことで追手に怪我を負わせる。撒蔆、撒芰とも表記する。
もともとは水草であるヒシの実を乾かしたものを使用した。菱の実、あるいはそれを模したものも三角錐の形状をしており、基本的にどのように置かれても、刺が追っ手の足を傷つけるように出来ている。木や竹から削りだした物もある。鉄製のものをイメージしがちだが、使い捨ての道具としては重く、かつ、高価で持ち運びに不便であるため、個人の使用には向かない。
持ち運びの際には竹筒に入れるのが一般的である。こうしておくと振付けるようにして敵の顔面に投げつけ、武器として使うことも可能であった。
中世西洋では、カルトロップ(en:Caltrop)と呼ばれる同様の道具があり、騎兵や戦象の突進を鈍らせる為に使用された。中国にも似たような物がある。
007シリーズ『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のボンドカー BMW750ilのリアバンパーにも装備されているなど、アクション映画のギミックとしてもおなじみである。