所得再分配調査

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所得再分配調査(しょとくさいぶんぱいちょうさ)は、厚生労働省社会保障制度による所得再分配の状況を調べるために実施している調査である。1962年度から3年に一度実施されており、2007年11月時点で最新の調査は、2005年7月に実施された2004年中の所得と税、社会保険料負担等に関するものである。

解説[編集]

用語[編集]

当初所得とは、所得税や社会保険料を支払う前の雇用者所得、事業所得などの合計。公的年金などの社会保障給付は含まれない。

再分配所得は、当初所得から税や社会保険料負担を控除し、公的年金などの現金給付と医療、介護、保育などの現物給付を加えたもの。

等価所得とは、世帯の所得を世帯人数の平方根で割ったものである。

推移[編集]

当初所得のジニ係数の上昇傾向は長期に続いており、1990年度調査では0.4334であったが、2005年度調査では0.5263に上昇している。一方、再分配所得のジニ係数は、1990年度調査の0.3643から0.3873へとわずかに上昇したのみであり、1993年度調査の0.3645から1996年度調査では0.3606へと縮小し、1999年度調査の0.3814から2002年度調査の0.3812へと縮小することも見られるなど、必ずしも一方的なジニ係数の上昇傾向が見られるわけではない。

所得再分配調査の当初所得のジニ係数上昇に対しては、これを日本社会の不平等度の上昇によるものであるとする意見と、不平等度が上昇しているわけではないとする意見が対立している。

ジニ係数上昇の要因[編集]

ジニ係数は所得分配の不平等度の指標であるが、その解釈は単純ではない。高齢者が増加すれば無職で所得のない世帯が増加するのでジニ係数は当然悪化するが、これが不平等度の高まりであると解釈することには異論がある。また、世帯の規模が異なれば所得水準が違っても生活水準が違うとは限らない。例えば2人世帯の所得水準が5人世帯よりも少ないからといって、所得分配が不平等であると言うことはできない。

高齢化の進展による高齢単独世帯の増加や核家族化、少子化による世帯規模の縮小傾向などによって、世帯構成が変化していることもジニ係数が上昇する要因となっている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]