壁細胞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒトの胃の壁細胞
胃酸の制御

壁細胞(へきさいぼう、: parietal cell)とは固有胃腺に存在する細胞の1つ。傍細胞とも呼ばれる。細胞質にはミトコンドリア滑面小胞体に富み、酸好性を示す。は細胞の中央に位置し、しばしば二核の細胞が存在する。壁細胞はエネルギーを消費して、小胞体上のプロトンポンプ(H+,K+ATPase)によってH+を胃腺内腔に汲み出す。このH+と別経路から排出されたCl-から胃酸塩酸)が産生される。ヒスタミンアセチルコリンガストリンは壁細胞に作用して胃酸分泌を促進する作用を有する。ヒスタミンは壁細胞のH2受容体を、アセチルコリンはM3受容体を、ガストリンはCCK2受容体をそれぞれ刺激して胃酸分泌を促進させる。 また、壁細胞はビタミンB12の吸収に不可欠な内因子を合成・分泌する.

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4-87362-113-5
  • 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4-87402-101-8