四重積 (ベクトル解析)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

四重積とは3次元ユークリッド空間における4つのベクトルであり、ベクトル解析におけるスカラー四重積ベクトル四重積の総称である。

スカラー四重積[編集]

スカラー四重積は2つのクロス積ドット積である。

ここで a, b, c, d は3次元ユークリッド空間のベクトルである。

幾何学的には a, b で張られた面積ベクトルと c, d で張られた面積ベクトルの重なり具合(射影)を表す。

以下の式 (ビネ・コーシーの恒等式)

が成り立つ。

また、特別な場合である

も有用な公式でラグランジュの恒等式英語版と呼ばれる。

ベクトル四重積[編集]

ベクトル四重積は2つのクロス積のクロス積である。

ここで a, b, c, d は3次元ユークリッド空間のベクトルである。

幾何学的には a, b で張られた面と c, d で張られた面の交線に平行なベクトルを表す。

ベクトル三重積の公式を使えば

が得られる。ただし [a, b, c] = a・(b×c) である。

2つの異なる右辺が導かれるのは左辺を X×(c×d) とみて展開したか (a×bY とみて展開したかで異なるからである。幾何学的には、交線はそれぞれの平面に含まれるので、点を表すパラメータ表示が2通りあることを意味する。


2つの右辺が等しいことより恒等式

が得られる。

これは [a, b, c]≠0 の場合、基底 {a, b, c} (正規直交基底とは限らない)における r の成分表示が

であること示す。

あるいは、(a b c)を縦ベクトルを並べてできる3×3行列としたときの連立方程式

に対するクラメルの公式

と同じである。


なお、

が先の公式の特別な場合として導かれるが、この等式は以下のように導くこともできる。

ab で作られる平面と、 ac で作られる平面との交線は a に平行であることは自明である。また、abc一次従属 ([a, b, c ]=0) すなわち共面であるとき、2つの平面は平行なので左辺は0になる。このことから、右辺は [a, b, c ]a の定数倍であることが導かれる。右手系の正規直交基底を代入することで比例定数が1であることがわかるので、等式が得られる。

参考文献[編集]

関連項目[編集]