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古希

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

古希古稀、こき)は、70歳の意。年祝い(算賀)[1]する場合が多い。原文表記は古稀[2][3]だが、1956年7月5日国語審議会が報告した「同音の漢字による書きかえ」によって、表外漢字「稀」が忌まれて「古希」と記されるようにもなった[4]

概要

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の詩人杜甫の詩『曲江』の「酒債しゅさいは尋常行くところに有り 人生七十古来稀なり」(酒代の付けは私が普通行く所には、どこにでもある(しかし)七十年生きる人は古くから稀である)が典拠。

長生きを祝う賀寿について、本来は数え年で祝うものとされたが、還暦以外は満年齢で置き替えて祝うことが多くなったとされる[5]。一方で年齢のお祝いとして、数え年、満年齢のいずれでも差し支えないとするものもある[3]。地域によっても慣習は異なる[3]

古希にちなむ色は紫色または紺色とされている[3]

慣用句

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1939年(昭和14年)に双葉山安藝ノ海に70連勝をかけて臨んだ取組の前に、大相撲ラジオ中継・和田信賢アナウンサーが「70歳は古稀、古来稀なり」の一節を含む実況を行った[6]

参考文献

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  • 金田一京助、ほか(編)「古稀」『新明解国語辞典』(5版)、三省堂、1997年。
  • 大槻文彦「古稀」『大言海』2巻(85版)、冨山房、1936年、242頁。

脚注

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  1. ^ 香西 美香「厄年習俗の形成」『東アジア文化研究』第2号、165-183頁。 
  2. ^ 曲江二首』其二:朝回日日典春衣,每向江頭盡醉歸。酒債尋常行處有,人生七十古來稀。穿花蛺蝶深深見,點水蜻蜓款款飛。傳語風光共流轉,暫時相賞莫相違。
  3. ^ a b c d 長寿を祝う「お祝い」伝統のかたち (PDF)」神社本庁。2024年7月22日閲覧
  4. ^ 国語審議会『同音の漢字による書きかえ (PDF)』文化庁、1956年7月5日、4頁。2025年10月29日閲覧
  5. ^ 実教出版 商業 704 (PDF)」実教出版。2024年7月22日閲覧
  6. ^ 本の話 命を懸けてでも達成すべきものに出会えているか」文芸春秋。2024年7月22日閲覧

関連項目

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