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反射材

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
自転車に取り付けられた赤色の反射材
被牽引車の後方反射器

反射材(はんしゃざい)は、どのような方向・角度から入射した光源に向かってそのまま反射(再帰反射)するように作られた製品(リトロリフレクター)のことである。利用目的は主に道路交通の安全向上・安全対策の目的で利用されることが多い。

種類・構造

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日本国内で主に使用されている製品には大きく分け6種類ある。

  • 露出レンズ型
    • 反射膜の表面に球状レンズを装着し、光を反射させる反射材の元祖。但し、球状レンズ部に排気ガス等が付着しやすく、反射性能低下が発生するのが弱点。
  • 封入レンズ型(エンジニア・グレード)
    • 前記露出レンズ型の欠点を解消した反射材。排気ガス等の付着による反射性能低下するのを防ぐため球状レンズの上部に樹脂(保護膜)を被せることで反射性能低下を防いでいる。但し、前記反射材と比較すると若干反射性能が劣るのが欠点。
  • カプセルレンズ型
    • 球状レンズと樹脂膜の間に空気の層を設け、露出レンズ型・封入レンズ型の両方の長所を生かした反射材。反射性能は封入レンズ型の4倍以上(比較色:白)ある。
  • プリズムレンズ型(軟質)
    • 三面体プリズム素子を用い、さまざまな角度から光が入射しても高い反射性能を持つ反射材。反射性能は封入レンズ型の30倍以上(比較色:白)。
  • プリズムレンズ型(硬質)
    • 上記軟質型と基本構造は同じであるが、硬質のため貼りつけて使用する物には不向きである。
  • カプセルプリズム型
    • フルキューブ素子という素子を用い、反射に寄与する部分のみを集積して配置した反射材。プリズムレンズ型に比べ大幅に表面強度が増しており、引っかきに対してより強さをもたせているため耐久性が高い。また、原材料・製造・流通の過程で二酸化炭素排出量が40%削減され環境に優しい生産がされている。

使用例

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  • 露出レンズ型
    • 反射性能の高さが売りであるため、JR等の架線管理作業員の反射ベストなどに採用されている。
  • 封入レンズ型
    • 非常に安価で入手しやすく(100円均一やホームセンターで購入可)湾曲部にも貼りやすい等加工がし易いため、日本国内で広く使われており、カラーコーンやカッティング素材、初期型の道路標識などに利用されている。
  • カプセルレンズ型
    • 反射性能が封入レンズ型に比べ格段に向上したため、道路標識に多く利用されている。
  • プリズムレンズ型(軟質)
    • 反射性能の高さから大型トラックの高線状の線表示などに利用されている。
  • プリズムレンズ型(硬質)
  • カプセルプリズム型
    • 現在流通している反射材では最高性能(超高輝度)な反射材のため、高速道路等の安全が優先される場所での道路標識(近年一般道でも標識更新の際はこの型の標識に更新されつつある)や、高輝度でありながら高耐久性なため、幹線道路などでの道路工事標識に利用されている。

カラーバリエーション

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  • 標準色
    • 白・赤・黄色・青・緑
  • 蛍光色(夕暮れ時などの薄暗い中でもはっきりと視認できる)
    • イエロー・グリーン・イエローグリーン・オレンジ
  • 環境色(景観を損ねない色)
    • 茶色・黒色・灰色

ただし、反射性能は色によって変化するほか、蛍光色は紫外線による色抜けが起こりやすいため注意が必要である。

法令

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各国の法令で、道路上にあり、または道路上を運転する車両には後部反射材(リフレクター)をの装備を義務付けている場合が多い。

日本

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自動車原動機付自転車、自転車および軽車両には、一定の基準を満たした後部反射器の装備を義務付けている。なお、自転車および軽車両は、夜間運転しない場合は不要であり、牛や馬で人間がひいている場合も不要である。後部反射器は通常は赤色であるが、自転車および軽車両の場合は橙色(オレンジ)も認められている。

自動車には前部反射器を装備することができ、被牽引自動車(トレーラー)には装備しなければならない。平成19年1月1日以降に製造された車両は白色、それ以前の車両は橙色もしくは白色と規定されている。

概ね全長6mを超える自動車には、側方反射器または側方灯を装備しなければならない。

また、それぞれの反射器において寸法や個数、取付位置や色などが取り決められている。適用となる光源距離なども車両の年式により異なるため、仔細は道路運送車両法および車両を統括する運輸支局及び軽自動車検査協会等へ参照のこと。

自動車用反射材の法規と歴史

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日本における自動車の後部反射材(リフレクター)は、夜間における後続車からの視認性を確保し、追突事故を防止する目的で設けられている。

制定の経緯

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自動車への反射材の設置義務は、1950年代の道路交通の発展とともに検討が始まり、1960年に当時の運輸省(現・国土交通省)が制定した「道路運送車両の保安基準」により正式に導入された。当初は大型貨物車やトレーラーなどへの装着が義務付けられたが、1979年(昭和54年)に基準が改正され、乗用車にも後部反射材の装備が義務化された。これにより、リアバンパーまたはテールランプ内に赤色の反射材を備えることが必須となった。

技術的要件

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保安基準第41条および関連告示において、後部反射器の設置位置・反射性能が明記されている。反射器は地上0.25メートル以上1.5メートル以下の高さに取り付ける必要があり、車両中心線に対して対称に配置されることが求められる。また、反射光は白熱灯の照射に対し、一定の光度を満たす必要がある。テールランプに内蔵される場合も多く、この場合はレンズ一体型反射材として認可を受けている。

現行法と安全基準

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2020年代現在、後部反射器の基準は国際連合欧州経済委員会(UNECE)規則第3号(ECE R3)および日本の「道路運送車両の保安基準」第41条、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2025.1.10】別添52(灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の技術基準)4.16.等に基づいている。反射材は赤色に限られ、夜間走行時に車両後方50メートルの距離から確認できる性能を持たなければならない。自動車メーカーはコンビネーションランプまたはリアバンパーにこれを組み込み、デザイン性と機能性の両立を図っている。

リアバンパー反射材義務化の経緯

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日本において乗用車のリアバンパーに反射材(リフレクター)が一般化したのは、2000年代中盤以降である。これは単なるデザイン上の流行りではなく、国際基準である+国際連合欧州経済委員会(UNECE)規則第3号(ECE R3)および第48号(ECE R48)の導入と関連している。

日本は1998年(平成10年)に「自動車等の型式認定に関する協定(1958年条約)」に加盟し、以後、ECE 規則との整合化を進めてきた。この流れの中で、灯火器および反射器類に関する要件を国際基準に合わせる改正が段階的に行われた。

特に2000年代中盤から後半にかけて、「道路運送車両の保安基準」第41条および関連告示において、反射器の取付位置・対称性・反射光度などの細部要件が明確化され、テールランプ内に反射材も納める構造から、リアバンパー左右に専用反射材を設ける設計が主流となった。

その後、2009年(平成21年)10月24日の国土交通省による保安基準改正では、反射器および方向指示器に関する取付長さ・可動部制限などの要件が改正され、ECE 規則とのさらなる調整が進められた。この時期以降に発売された新型車(例:トヨタ・マークX〈120系後期〉、日産・スカイライン〈V36〉、ホンダ・フィット〈GE系〉など)等からリアバンパー下部に赤色反射材を設ける設計が標準化している。

さらに、2011年(平成23年)9月1日以降は、大型車両に対して縞模様型後部反射板の装着が義務付けられ、2013年(平成25年)には可動構成部品による反射器覆いの制限が告示別添52に追加された。この一連の改正を通じて、反射材は自動車の安全装備として国際的にも統一された形で定着した。

関連法規

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  • 道路運送車両の保安基準(第40条)
  • 国土交通省告示第150号(2005年) - 「ECE規則第3号」および「第48号」の採用
  • UN/ECE Regulation No.3 - Uniform provisions concerning the approval of retro-reflecting devices
  • UN/ECE Regulation No.48 - Installation of lighting and light-signalling devices

出典

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国土交通省 自動車基準整備会議「道路運送車両の保安基準」 国土交通省告示第150号(1979年) * UNECE Regulation No. 3 – Retro-Reflecting Devices for Power-driven Vehicles and their Trailers

  • 国土交通省「自動車の保安基準の改正について」(報道発表資料, 2005年12月)
  • 国際連合欧州経済委員会 (UNECE) “Regulation No.3 and No.48”
  • 日本自動車工業会「ECE規則採用に伴う保安基準改正概要」(2006年)

主なメーカー

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関連項目

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