勝川春里

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勝川 春里(かつかわ しゅんり、生没年不詳)とは、江戸時代中期の浮世絵師

来歴[編集]

勝川春章の門人かとされる。戯作名を蔕野横好(へたのよこすき)といった。作画期は天明1781年1789年)から寛政1789年1801年)期にかけてで、自画作による黄表紙錦絵勝川派風の役者絵を残している。代表作として、寛政期のもので大判の錦絵2枚続「三世大谷広次と松本米三郎」が挙げられる。黄表紙の例として、天明3年(1783年)刊行の自画作『狸の金毗羅』があげられ、本作の七丁オ(表)及び11丁オ(表)の図中の衝立に「春里画」と記されており、最終丁15丁ウ(裏)には「戯作同画 蔕野横好」とあることによって、春里と蔕野横好とが同一人物と思われる。また各署名に象文様の雅印が捺されていることから、戯作者森羅万象の別号である可能性も考えられる。

作品[編集]

  • 「三代目大谷広次 松本小次郎」 大判2枚続 左 ロジャー・キース所蔵、右 東京国立博物館所蔵

参考文献[編集]

  • 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻)-日本浮世絵協会編(1982年、大修館書店)