交響曲第1番 (ウェーバー)

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交響曲第1番 ハ長調Op.19 J.50は、カール・マリア・フォン・ウェーバーが作曲した最初の交響曲交響曲第2番と共に青年期に作曲された交響曲であるが、いずれも若々しい作風が随所に見られる。

概要[編集]

当時20歳(1806年)のウェーバーが作曲した最初の交響曲で、その当時カールスルーエのフリードリヒ・オイゲン・フォン・ヴュルテンベルク公爵の管弦楽団指揮者を務めており、この管弦楽団のために2曲の交響曲を作曲している。交響曲第1番はその折に作曲されたものである。

作曲の時期は1806年12月14日にカールスルーエで始められ、第1楽章は12月22日に書き上げている。それに次いで第2楽章を12月29日に、第3楽章は12月26日に完了させ、第4楽章は翌年の1807年1月2日に完成させている。初演はカールスルーエの宮廷で行われたが、この時の正確な日付については不明である。

ウェーバーは緩徐楽章とスケルツォ楽章以外、その出来栄えに満足できなかったようで、友人で批評家のロホリッツに宛てた手紙の中で「いずれ多くの箇所を改訂したい」と述べている[1]が、結局改訂は行われることはなかった。

楽譜は1810年の秋にアンドレ社から出版された。当初ウェーバーは草稿に「作品19」の作品番号を与えていたが、出版時に番号を削除している。

楽器編成[編集]

フルートオーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ弦五部

構成[編集]

全4楽章から構成され、演奏時間は約25分。ウェーバーはモーツァルトの『パリ交響曲 K.297』を(かなりの程度に)モデルにしたといわれる。

第1楽章 アレグロ・コン・フォーコ

 ハ長調、4分の4拍子。ソナタ形式

第2楽章 アンダンテ

 ハ短調、8分の6拍子。緩徐楽章。

第3楽章 スケルツォ.プレスト

 ハ長調、4分の3拍子。三部形式

第4楽章 フィナーレ.プレスト

 ハ長調、4分の2拍子。ソナタ形式。

参考資料[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 実際は「メヌエットと緩徐楽章以外にはこの交響曲では全く満足していないので、多くの箇所を改訂したい。第1楽章は馬鹿げた幻想曲で、支離滅裂な句による序曲風のものだ。最後の楽章はとにかく演奏できるかもしれない。この交響曲を私が16歳の時に書いたものだ」とかなり不満を示している。なお手紙には16歳と記されているが、ウェーバーが作曲年代を誤って記したものとされるが、その辺りの事情は不明である(『最新名曲解説全集1 交響曲1』)。

外部リンク[編集]