乗法的関数

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数論における乗法的関数(じょうほうてきかんすう、: multiplicative function)とは、正の整数 n数論的関数 f(n) であって、f(1) = 1 であり、ab互いに素であるならば常に

f(ab) = f(a) f(b)

が成り立つことである。さらに、f(n) が、任意のab に対しても、f(1) = 1、f(ab) = f(a) f(b) が成り立つ時、完全乗法的関数英語: completely multiplicative functionと呼ぶ[1]

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  • gcd(n,k) : nk最大公約数k を固定して、n の関数とみなした場合)
  • 任意の整数 k に対する
  • メビウス関数:
  • 約数関数: n の約数の個数を表す
  • k約数和関数:
  • n の正の奇数の約数の個数を表す
  • n の正の奇数の約数の和を表す
  • オイラー関数:
  • ディリクレ指標:
  • リウヴィルのラムダ関数: (ただし、n素因数の重複も含めた総数)
  • ラマヌジャンの和関数:

  • ラマヌジャンの τ 関数:
    • は、n 次の係数
  • 任意の正整数 k に対する、(ただし、n異なる素因数の総数)

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 林光利「数論的関数のつくる体について」『数学』第32巻第1号、日本数学会、1980年、69-71頁、doi:10.11429/sugaku1947.32.69ISSN 0039470XNAID 130001557236 

参考文献[編集]

関連項目[編集]