レルマ公騎馬像
| スペイン語: Retrato ecuestre del duque de Lerma 英語: Equestrian Portrait of the Duke of Lerma | |
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| 作者 | ピーテル・パウル・ルーベンス |
|---|---|
| 製作年 | 1603年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 290.5 cm × 207.5 cm (114.4 in × 81.7 in) |
| 所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『レルマ公騎馬像』（レルマこうきばぞう、西: Retrato ecuestre del duque de Lerma、英: Equestrian Portrait of the Duke of Lerma）は、フランドルのバロック期の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスが1603年に制作した肖像画で、初代レルマ公爵フランシスコ・ゴメス・デ・サンドバルを描いている。レルマ公の所有であったこの絵画は、レルマ公が没落した後にスペイン王室のコレクションに入ったが、フェリペ4世によりカスティーリャ提督に贈られた[1]。その後、いく人かの所有者を経て、1969年以来[1]、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2]。
作品[編集]
レルマ公はフェリペ3世の寵臣で[1][2]、スペイン王国の実質的な為政者であった[2]。この絵画で、彼はスペイン軍の指揮官として表されている。鎧を半身に纏った公爵は白馬に跨り、指揮棒を持っている。彼の首に掛けられたサンティアゴ騎士団の徽章だけがこの肖像画の唯一の装飾的要素である[2]。絵画が軍事的色彩を帯びていることは、背景の騎馬戦闘場面によって強調されている[1]。
本作はルーベンスの最初のスペイン滞在時に描かれたもので[1][2]、彼の初期の肖像画に見られる力強さに加え、モデルの人物の人間性を捉える才能を示している[1]。レルマ公の姿には、尊大さと誇り高い人格が浮き彫りにされている[2]。作品の構図はティツィアーノの『カール5世騎馬像』 (プラド美術館)[1]、および古代彫刻にもとづいており[2]、ルーベンスは公爵が鑑賞者に向かって前進してくる姿を描いている[1][2]。一方で、人物像を縁取るヤシの木を描くことで、非常にバロック的な効果を創造している。この肖像画は騎馬像のモデルとして、アンソニー・ヴァン・ダイクやガスパール・デ・クライエルなど後世の画家たちに多大な影響を与えることとなった[1][2]。
ギャラリー[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 国立プラド美術館『プラド美術館ガイドブック』国立プラド美術館、2009年。ISBN 978-84-8480-189-4。
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