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鏡を見るヴィーナス (ルーベンス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『鏡を見るヴィーナス』
英語: Venus in Front of the Mirror
作者ピーテル・パウル・ルーベンス
製作年1613年 - 1614年
種類油彩
寸法123 cm × 98 cm (48 in × 39 in)
所蔵リヒテンシュタイン美術館ウィーン

鏡を見るヴィーナス』(かがみをみるヴィーナス、: Venus in Front of the Mirror)は、フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンスが1613年 - 1614年に描いた絵画[1][2][3]。『鏡のヴィーナス[4]、『鏡を見るウェヌス[2]とも表記される。

概要

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ティツィアーノ『鏡を見るヴィーナス』

本作は、イタリアの画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオによって1555年頃に製作された『鏡を見るヴィーナス』(en:Venus with a Mirror) に倣って描かれたものであるとされている[1][5]。縦 123 センチメートル、横 98 センチメートルの大きさをもつ[6]ファドゥーツのリヒテンシュタイン侯爵家コレクション所蔵[2]

ルーベンスは、本作を描く数年前の1608年に、イタリアを訪問している[7]。アメリカ合衆国の画家ロバート・ラウシェンバーグは、1964年に発表した作品『パーシモン』 (Persimmon) において、本作のヴィーナスを画面の中心に据えている[8][9]

作品

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画面の中心に描かれているヴィーナスは、風呂からあがったばかりである。彼女は、化粧室の中におり、黒みがかった赤色のオットマンに裸で腰かけている[10][5]。傍らでは、浅黒い色の肌をもった使用人の女性が、ヴィーナスの髪を梳かしている[3][6]。ヴィーナスは、白い布を手にしている[5]

ヴィーナスは、長く光沢のある金髪をもっており、また左腕などに高級感のあるアクセサリーを装着している[6][11][1][10]。ヴィーナスは、鑑賞者に背中を向けているが、翼をもったキューピッドが掲げている八角形の鏡を通して鑑賞者のほうをじっと見つめている[3][7][5]

脚注

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  1. ^ a b c 『ヴィーナス』 2017, p. 26.
  2. ^ a b c 『リュベンス』 2003, p. 6.
  3. ^ a b c PETER PAUL RUBENS IN THE PRINCELY COLLECTIONS”. 美術史美術館. 2019年10月19日閲覧。
  4. ^ リヒテンシュタイン美術館”. メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド. 2019年10月19日閲覧。
  5. ^ a b c d Credo - LGT Journal on wealth culture”. LGTリヒテンシュタイン銀行. 2019年10月19日閲覧。
  6. ^ a b c PETER PAUL RUBENS - VENUS IN FRONT OF THE MIRROR”. リヒテンシュタイン侯爵家コレクション. 2019年10月19日閲覧。
  7. ^ a b Rue du Rhône”. LGTリヒテンシュタイン銀行. 2019年10月19日閲覧。
  8. ^ 『リュベンス』 2003, p. 326.
  9. ^ Persimmon”. Robert Rauschenberg Foundation. 2019年10月19日閲覧。
  10. ^ a b Rubens to Makart - Liechtenstein. The Princely Collections”. アルベルティーナ美術館. 2019年10月19日閲覧。
  11. ^ Baroque Women: Pictures of Purity and Debauchery”. Long Island University. 2019年10月19日閲覧。

参考文献

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  • クリスティン・ローゼ・ベルキン 著、高橋裕子 訳『リュベンス』岩波書店〈岩波世界の美術〉、2003年6月。ISBN 978-4-00-008972-2 
  • 青柳正規ほか『ヴィーナス 豊饒なる愛と美の女神』集英社〈ART GALLERY テーマで見る世界の名画〉、2017年9月。ISBN 978-4-08-157071-3 

外部リンク

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