マルチブート

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マルチブートとは、1台のコンピュータに接続ないし内蔵した、複数台のディスクないし複数パーティションに、複数システム(オペレーティングシステム)をインストールし、どれかを選んでブートするようになっている、といったような状態のことである。

2つの場合をデュアルブート、3つをトリプル〜...等の語もある。

概要[編集]

Microsoft Windows[編集]

Windowsの(主な)プラットフォームであるPC/AT互換機では(かつそれらにおいて、EFIGPT以前は)マスターブートレコードブートストラップローダ領域にある、IBMマイクロソフトが作成した起動プログラムによって起動する。マルチブートの場合、起動フラグが立っている基本領域が複数存在することになるので、ブートローダがどの基本領域の起動フラグから起動させるかを、ユーザーに求めてくる。ユーザーがどの基本領域の起動フラグから起動させるかを選べば、その基本領域に組み込まれているOSで起動する。

Windows XPまでのNT系OSではNTLDRが、Windows Vista以降ではWindows Boot Managerが標準装備されているため、マルチブート環境の構築は比較的簡単である。一方、Windows MeまでのWindows 9x系では「MSDOS.SYS」というテキストファイルに書かれた情報を元に起動することになるが、この動作自体は変更できず、またこれらのファイル群は全てブートパーティション上(Cドライブ)に存在する必要があるため、分岐起動する仕組みがない。そのため、9x系同士や、NT系をCドライブにインストールしての9x系とのマルチブートは、注意を払って構築する必要がある。

単一の物理コンピュータ上で複数のOSを利用する形態としては、VirtualBoxVMwareMicrosoft Virtual PCのような仮想環境を用いる方法があるが、パーティションごとに実際のOSをインストールするマルチブートのメリットは、仮想化されていないネイティブドライバーを用いるためにハードウェアの性能をそのまま引き出すことができ、ドライバーに起因するトラブルも少ない点である。逆にデメリットとしては、マルチブート構成の解除は仮想環境と比べてやや煩雑になる点などが挙げられる。

Windows VistaおよびWindows Server 2008まではマルチブート環境を構成する場合、OSごとに物理パーティションを分ける必要があったが、Windows 7およびWindows Server 2008 R2以降では、Virtual Hard Disk (VHD) と呼ばれるオープン仕様の仮想ディスク機構がサポートされ、単一の物理パーティション上にもマルチブート環境を構築できるようになった[1]。VHDマルチブートは仮想環境とは異なり、ハードディスク以外はすべて通常のネイティブドライバーを用いるため、従来のマルチブート同様にほとんどのハードウェアの性能を引き出すことができる[2]

その他[編集]

近年[いつ?]では、マルチブート環境の構築を安全かつ容易に行えるようにすることを目的に、複数のSATA/eSATAコントローラーと専用のブートROMを搭載したコンピュータ本体やマザーボードも数多く発売されている。これらの製品を用いてそれぞれのOSを独立した物理ドライブにインストールすれば、既存のOSやデータファイルを誤って消去してしまうリスクを軽減できるだけでなく、インストール完了後の初期設定項目を大幅に削減できるといったメリットが期待できる。

また、Windows 8の登場に伴い、UEFI仕様に準拠したコンピュータ本体やマザーボードなどの普及が急速に進んだため、これらの製品では、空きポートさえあれば単一のSATAコントローラしか搭載されていなくても、OSと同じ台数の物理ドライブを用意するだけで先述したメリットが享受できるようになっている。

脚注[編集]

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