マナス (神智学)

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神智学の定義によるマナス: manas)は、人間の知性自我を司っている不可視の身体である。英語のmindと相応している。

名称[編集]

神智学の諸文献中では、マナスを"mind"と表記することが多い。mindの和訳は、片仮名音写の「マインド」や、意訳の「識心(しきしん)」が主に使われる。

後述するとおり、マナスは「メンタル体(: mental body)」と「コーザル体(: causal body)」を有する。この2通りの身体の和訳は、およそ以下の通りである

  • メンタル体。主に、識心体(しきしんたい)。または精神体、知性体。
  • コーザル体。原因体、元因体、因果体。しかし妥当な訳が無いため、カタカナ音写の「コーザル体」が主に使われる。
    • また、インド哲学の英訳文献でも"Causal body(和訳では主に「原因身」)"は使われているが、同一の概念ではない。ここで取り上げているのは、神智学によって再定義されたものである。

概論[編集]

基本的にマナスは、メンタル体とコーザル体に大別される。

  • メンタル体は、肉体(およびエーテル体)やアストラル体と一体であり、パーソナリティー(低位我、人格)を構成する。このように、メンタル体と様々な身体が一体だからこそ、人間は意識的活動が出来るのである。しかし、一般的な人々の意識はアストラル体が優勢であるという。
  • コーザル体は、霊的魂であるブッディと結合しており、ブッディの代役しているため、魂体と呼ばれる事がある。また、最終的にコーザル体は、理性(ブッディ)と知性(メンタル体)の架け橋となるものである。

しかし、マナスの性質には3つの様相がある。

  • 低位マインド。具体マインドとも呼ばれており、合理的思考の原理である。
  • 自我: ego)。これは魂であり、知性の原理である。
  • 高位マインド。抽象マインドとも呼ばれる。先述したとおり、理性と知性の架け橋がこれである。

これら3つの様相には断絶があり、教育や瞑想はこの断絶に橋を架ける事であるという。

マナス界[編集]

マナス界、もしくはメンタル界には7つの亜界があり、これもまた低位と高位に別けられる。

低位亜界には「イリュージョン (錯覚)」が存在する。これは想念形態の背後に真理を追いやることでもある。つまり真理と自らの思考を間違えつつ盲信することである。

高位亜界はコーザル界などと呼ばれる。一般的に魂はこの亜界の身体(コーザル体)に位置している。

参考文献[編集]

  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス 編 『トランス・ヒマラヤ密教入門 第1巻 人間の本質』(改訂版)アルテ/星雲社、2002年、[要ページ番号]頁。ISBN 4-434-01675-X 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス 編 『トランス・ヒマラヤ密教入門 第2巻 生命としての地球』(改訂版)アルテ/星雲社、2002年、[要ページ番号]頁。ISBN 4-434-02170-2 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス 編 『トランス・ヒマラヤ密教入門 第3巻 意識の進化』(改訂版)アルテ/星雲社、2002年、[要ページ番号]頁。ISBN 4-434-02384-5 
  • アリス・A.ベイリー 著、土方三羊 訳、アート・ユリアーンス 編 『トランス・ヒマラヤ密教入門 第4巻 真理の実践』(改訂版)アルテ/星雲社、2002年、[要ページ番号]頁。ISBN 4-434-02634-8 

関連項目[編集]