ホームグロウン制度

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ホームグロウン制度(ホームグロウンせいど、Homegrown Player Rule)とは、サッカー競技において、自前で育成された選手をトップチームで登録することに関する制度である。

「自前で育成された選手」の定義については各クラブが所属する組織・協会の規定により異なるが、基本的に一定年齢に達する前に対象クラブに一定期間登録された選手がホームグロウン選手とみなされる。

Jリーグ[編集]

12歳の誕生日を迎える年度から21歳の誕生日を迎える年度までの期間において、特定のJクラブのトップチームまたは下部組織に登録された期間の合計日数が990日以上である選手が対象となる[1]。ホームグロウン選手の登録義務は、2019年の制度開始時点でJ1リーグ所属クラブのみが対象となり、最低登録人数は2名に定められた。最低登録人数については2021年には3名、2022年以降は4名に引き上げられる予定となっている。また2022年シーズンからはJ2リーグ/J3リーグ所属クラブも対象となり、2022年は1名、2023年は2名に決定された。

Jリーグ所属クラブが最低人数以上のホームグロウン選手を登録できなかった場合、翌シーズンにおいて当該チームが登録できるプロA選手の数は、満たせなかったホームグロウン選手の人数分減じられる。

なお期限付き移籍中の選手については、当該期間は期限付移籍元のJクラブの育成期間に算入され、期限付移籍先のクラブの育成期間には含められない。またホームグロウンの条件を満たしている場合、期限付き移籍中は移籍先クラブのホームグロウン枠でカウントされ、移籍元クラブのホームグロウン枠にはカウントされない。特別指定選手としてJリーグクラブに登録されている選手は、その期間は当該クラブの育成期間には算入されない。

プレミアリーグ[編集]

国籍に関係なく、フットボール・アソシエーションまたはウェールズサッカー協会に加盟するクラブで、継続または通算で3シーズンまたは36ヶ月間を21歳の誕生日を迎えたシーズンの終了までに過ごした選手が対象となる。トップチームに登録する必要のあるホームグロウン選手は最低8名で、満たせなかった場合は非ホームグロウン選手の登録枠(実質最大17名)が不足人数分削減される[2]

UEFA[編集]

UEFAチャンピオンズリーグなどのクラブ国際大会を対象に2006-07シーズンに初めて導入され、2008-09シーズンから完全に施行された。

UEFAの選手登録の種類はAリストBリストのふたつがあり、ホームグロウン制度と関係のある部分はそれぞれ以下の部分である。

Aリスト

登録上限25名のうち、8人以上が「地元育成選手」、さらにそのうちの4人以上が「クラブ育成選手」である必要がある[3]。「地元育成選手」はその国の協会内の他クラブに、「クラブ育成選手」はそのクラブに15歳から21歳までの間で3年以上在籍していた選手が対象となる。

Bリスト

シーズン開幕21年前の年の1月1日以降に生まれた選手で、15歳の誕生日以降、継続して2年以上当該クラブに所属歴がある選手が対象(16歳の選手の場合は、2年以上継続して在籍していれば登録可能)。Aリストの選手が最大25人に制限されている一方、こちらは登録資格を満たしていれば無制限に登録可能である。

メジャーリーグサッカー[編集]

2008年に制定された。クラブの育成組織に少なくとも1年間在籍した選手が対象となる。通常、メジャーリーグサッカー所属クラブに選手登録される場合、MLSスーパードラフトなどのドラフトを経る必要があるが、ホームグロウン選手についてはドラフトを経ずに直接選手登録できる[4]

脚注[編集]

  1. ^ プロサッカー選手の契約、登録および移籍に関する規則(抜粋)”. Jリーグ. 2021年12月4日閲覧。
  2. ^ 2018/19 Premier League squads confirmed”. プレミアリーグ. 2021年12月4日閲覧。
  3. ^ Protection of young players”. UEFA. 2021年12月4日閲覧。
  4. ^ 2021 MLS Roster Rules and Regulations”. MLS. 2021年12月4日閲覧。

関連項目[編集]