ヘンリー八世の私生活

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ヘンリー八世の私生活
The Private Life of Henry VIII
監督 アレクサンダー・コルダ
脚本 ラホス・ビロ
アーサー・ウィンペリス英語版
製作 アレクサンダー・コルダ (クレジット無し)
ルドヴィコ・テプリッツ (クレジット無し)
出演者 チャールズ・ロートン
ビニー・バーンズ英語版
ロバート・ドーナット
音楽 クルト・シュレーダー
撮影 ジョルジュ・ペリナール英語版
編集 ステファン・ハリソン
製作会社 ロンドン・フィルム・プロダクションズ英語版
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 イギリスの旗1933年8月17日
日本の旗未公開(1975年6月4日フィルムセンターで上映)
上映時間 97分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 £65,000[1]
興行収入 £750,000[1]
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ヘンリー八世の私生活』(ヘンリーはっせいの私生活、英語原題:The Private Life of Henry VIII)は、アレクサンダー・コルダ監督・製作、チャールズ・ロートンロバート・ドーナットマール・オベロンエルザ・ランチェスター出演よる1933年のイギリス映画である。イングランド王ヘンリー8世の結婚に焦点を当てた内容であり、ラホス・ビロアーサー・ウィンペリス英語版が脚本を執筆し、コルダの会社であるロンドン・フィルム・プロダクションズ英語版が製作した。

「イギリス映画の歴史は二つの時期に分けられる。『ヘンリー八世の私生活』の前と、それ以後である」と言われたほど、イギリス映画史に一時代を画す傑作であった。[2]

プロット[編集]

キャスト[編集]

制作[編集]

ハンガリー生まれの監督アレクサンダー・コルダは、オーストリア、ドイツ、アメリカ、フランスと転々としたあげく、1931年にイギリスに渡り、1933年にロンドン・フィルム・プロダクションズを設立して、イギリスに根を下ろす。 ロンドン・フィルムはアメリカのユナイテッド・アーティスツの株を持っていたために同社を通じて全世界に配給される利点があった。[2]

評価[編集]

それまでのイギリス映画は鳴かず飛ばずだったが、本作は1933年10月12日に世界最大の映画館であるニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで華々しくプレミア・ショウが行われ[2]、 興行的に成功し、1933年の米国内成績は12位であった[3]

第6回アカデミー賞ではアカデミー作品賞主演男優賞チャールズ・ロートン)にノミネートされ、主演男優賞を獲得した。

ロートンは『フィルム・ウィークリー』読者の投票によりその年のイギリス映画最高の男優に選ばれた[4]

日本公開[編集]

日本では、戦前の天皇制絶対の時代だっただけに、国王を粗野で好色の人物として描いた本作の公開を許すことは、天皇の尊厳を損なう恐れがあるとして、税関は通ったが内務省の検閲で差し止められ、公開はできなかった。[2]

参考文献[編集]

  1. ^ a b “British Film Losses”. The Barrier Miner (Broken Hill, New South Wales: National Library of Australia): p. 3. (1936年2月8日). http://nla.gov.au/nla.news-article47923522 2012年8月4日閲覧。 
  2. ^ a b c d 清水晶『映画史上ベスト200シリーズ・アメリカ映画200』、キネマ旬報社刊、1990年6月30日発行(108-109ページ)
  3. ^ “Box Office Successes of 1933”. The West Australian (Perth: National Library of Australia): p. 3. (1934年4月13日). http://nla.gov.au/nla.news-article33001319 2012年7月9日閲覧。 
  4. ^ “Best Film Performance Last Year”. The Examiner (Launceston, Tasmania: National Library of Australia): p. 8. (1937年7月9日). http://nla.gov.au/nla.news-article52148556 2013年3月4日閲覧。 

外部リンク[編集]