コンテンツにスキップ

プネウマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プネウマ古代ギリシア語: πνεῦμα, pneuma)とは、気息空気、大いなるものの息、ギリシア哲学では存在の原理[1]、呼吸、生命、命の呼吸、力、エネルギー、聖なる呼吸、聖なる権力、精神超自然的な存在、善の天使、悪魔悪霊聖霊などを意味する[2]。動詞「吹く」(古希: πνέω)を語源とする(ネウマ譜と同じ語源)。

キリスト教でも使われ、日本では「聖霊[3]日本ハリストス正教会では「神(しん)」と訳す。

ギリシア哲学

[編集]

プネウマ (pneuma) はもともと気息、風、空気を意味したが、ギリシア哲学では存在の原理とされた[1]

アナクシメネスは万物の根源、宇宙全体を包括している物質とした。

空気中のプネウマ(精気、空気気息)が体内に取り込まれ生体を活気づけるとヒポクラテスらは考え、アリストテレスは植物プシュケー、動物プシュケー、理性プシュケーの3種のプシュケー(精気)を区別し、ローマのガレノス肝臓にある自然精気、心臓にある生命精気 (pneuma zoticon) 、脳にある動物精気 (pneuma physicon) の3つを考えた[4]

アリストテレスやガレノスのプシュケー(精気)をスピリトゥスとして標記する研究もある[5]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 世界大百科事典「息」
  2. ^ François, Alexandre "Semantic maps and the typology of colexification: Intertwining polysemous networks across languages", in Vanhove, Martine, From Polysemy to Semantic change: Towards a Typology of Lexical Semantic Associations, Studies in Language Companion Series 106, Amsterdam, New York: Benjamins, 2008年, p. 195
  3. ^ 大辞泉、小学館
  4. ^ 世界大百科事典「呼吸」
  5. ^ 比留間亮平「ルネサンスにおけるスピリトゥス概念と生命論」死生学研究. 第7号, 2006.3.25, pp. 139-164,東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]