ブデソニド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブデソニド
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
投与経路 Oral, Nasal, tracheal, rectal
薬物動態データ
生物学的利用能100% (but large first pass effect)
血漿タンパク結合85-90%
代謝Hepatic CYP3A4
半減期2.0-3.6 hours
排泄尿中および胆汁排泄
識別
CAS番号
51333-22-3
ATCコード A07EA06 (WHO) D07AC09 (WHO), R01AD05 (WHO), R03BA02 (WHO)
PubChem CID: 40000
DrugBank APRD00442
ChemSpider 36566
KEGG D00246
化学的データ
化学式C25H34O6
分子量430.534 g/mol
テンプレートを表示

ブデソニド(英:Budesonide)は、糖質コルチコイドであり、ステロイド系抗炎症薬の一種である。気管支喘息の吸入ステロイド療法用に、商品名パルミコート(吸入液およびタービュヘイラー)としてアストラゼネカ社より製造販売され、吸入液の後発品が、武田テバファーマから製造販売されている。本剤と気管支拡張薬であるホルモテロールとの合剤(商品名シムビコート)のドライパウダー式吸入薬が、気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬として、また、本剤とホルモテロールおよびグリコピロニウムとの3成分配合剤(商品名ビレーズトリエアロスフィア)が、慢性閉塞性肺疾患の長期管理薬として、いずれもアストラゼネカ社より製造販売されている。シムビコートの後発品としてブデホルが製造販売されている。

薬理[編集]

ブデソニドは内服薬として用いると初回通過効果のため、多くは代謝を受けるので副作用も含め全身作用は少ないとされる。
消化管粘膜のみに作用させることを目的として、ターゲット部位で溶解する腸溶剤として経口投与する。また、気道粘膜に対しては吸入薬として投与する。ステロイド吸入薬の中では最も安全性が高く、妊婦にも用いることができる[1]。吸入ステロイドの内、ブデソニドだけがアメリカ食品医薬品局(FDA)の胎児危険度分類のBである。(その他の吸入ステロイド薬は分類はC)

禁忌[編集]

下記の患者には禁忌である[2]

  • 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者
  • 製剤成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある患者
  • 結核性疾患の患者(原則禁忌)

単剤としての副作用[編集]

小児の治験では3.3%に副作用が認められた。(成人のデータは未公開)

主な副作用は嗄声、咽喉頭疼痛、咳嗽、口腔カンジダ症、咽喉刺激感、悪心である。

単剤としての効能・効果[編集]

気管支喘息

出典[編集]

  1. ^ Norjavaara E,et al.Normal pregnancy outcomes in a population-based study including 2,968 pregnant women exposed to budesonide.J Allergy Clin Immunol.2003; 111(4): 736-42.
  2. ^ パルミコート100µgタービュヘイラー112吸入/200µg56吸入/200µg112吸入 添付文書” (2015年7月). 2016年6月28日閲覧。