ヒュンダイ・ポーター

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ヒュンダイ・ポーターHyundai Porterハングル현대 포터、輸出名H-100)は韓国現代自動車が製造するキャブオーバー型の小型トラックである[1]

歴史[編集]

初代(1977年-1981年)[編集]

初代ポーターは1977年1月にHD1000の一車種として登場した。HD1000はキャブオーバー型のトラックと3/12人乗りのバン/ワゴン(救急車仕様もあり)が存在し、トラックの方は「ポーター」のサブネームが付けられていた。HD1000は1981年に製造を終了した。

2代目(1986年-1997年)[編集]

三菱・デリカ > ヒュンダイ・ポーター
2代目ポーター前期型
2代目ポーター後期型

ポーターは1986年11月、2代目三菱・デリカ(L300)トラックのライセンス生産車として復活を果たす。なお、バン/ワゴンのグレースも同年にデビューしているが、こちらは3代目デリカ/L300のライセンス生産車である。

2代目ポーターは1993年にフェイスリフトが行われ、円形ヘッドライト、1991年型ソナタと共通のステアリングホイール、グレースと共通のダッシュボードが与えられた。標準キャブの他にダブルキャブもラインナップされ、エンジンはD4BX(三菱・4D56型 直列4気筒 2.5L ディーゼルエンジンのヒュンダイ版)が搭載された。

3代目(1996年-2003年)[編集]

三菱・デリカ > ヒュンダイ・ポーター
3代目ポーター

1996年3月に登場した3代目ポーターはグレースと同様に3代目デリカ/L300がベースとなった。翌1997年には南アフリカ共和国市場にヒュンダイ・バッキーの車名で投入された。韓国での生産は2004年に終了しているが、ロシアではTagAZが現在でも製造・販売を行っている。また、パキスタンではHyundai Shehzoreとして、マレーシアではイノコム・ロリマス (Inokom Lorimas) としてそれぞれ製造・販売が行われている。

4代目(2004年-現在)[編集]

4代目ポーター前期型
4代目ポーター後期型

2004年に登場した4代目ポーター(韓国では車名がポーターⅡとなった)は再びヒュンダイの独自開発車種となるが、傘下の起亜自動車ボンゴとは多くの部分を共用する。また、再び標準キャブとダブルキャブの両方がラインナップされた。エンジンは126馬力を発揮するD4CB型コモンレールディーゼルが搭載された。ブラジルではヒュンダイ・HRとして販売され、メキシコではクライスラーにOEM供給されてダッジ・H-100として販売されている。

韓国においては自動車学校の第一種普通免許用の教習車としても利用されている。

2016年3月には、10,214台を販売し、乗用車も含めた全ての韓国車において1位であった(2位はシボレー・スパーク、3位はヒュンダイ・アバンテ)。これは、景気の低迷によって失業者が大量発生すると同時に自営業者が増え、それに伴いトラックの需要も増加することと大いに関係している[2]

2017年の年間売り上げ台数は10万1423台。発売以来初めて10万台を突破する年となった[3]

2019年12月には、シリーズ初、かつ韓国の商業車初となるEV「ポーターIIエレクトリック」を発売開始。

関連項目[編集]

脚注[編集]