ヒャクニチソウ

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ヒャクニチソウ
6801jfUnidentified Zinnia Angelesfvf 19.JPG
花壇に咲くヒャクニチソウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: ヒャクニチソウ属 Zinnia
: ヒャクニチソウ Z. elegans
学名
Zinnia elegans Jacq.
和名
ヒャクニチソウ
英名
Common zinia、youth-and-old-age

ヒャクニチソウ Zinnia elegans Jacq. はキク科植物の1つ。花が美しく、また花弁が丈夫で色あせしにくいのが特徴で、花壇に栽培され、また切り花として鑑賞される。

特徴[編集]

原種の図版

直立する一年生草本[1]。茎は高さ30-90cmになり、硬くて短い毛がある。対生し、楕円形で長さ4-10cm、幅3-6cm。、硬い毛が生えている。葉柄がなく、基部はやや茎を抱く。

茎の先端には単独の頭状花序をつける。花序の外側には一列の舌状花(花弁に見えるもの)をつけ、これは雌性。その内側には筒状花を多数つけ、こちらは両性。いずれの花も稔性がある。舌状花は原種では赤みを帯びた紫から淡い紫。筒状花は黄色から橙色。総苞は円形、総苞片は鱗片状で上部のものは黒っぽくなる。

和名は百日草で、開花期間が長いことによる。また、花の寿命が長いことからウラシマソウ(浦島草)やチョウキュウソウ(長久草)の別名もある[2]。英名は Common zinia、youth-and-old-age がある。

花の拡大
外側の舌状花花弁の基部に雌蘂が、中央に管状花が見分けられる

分布[編集]

原産地はメキシコで、これはコスモスダリアとも同郷である[3]

分類[編集]

ヒャクニチソウ属には南北アメリカ大陸に約15種がある。日本には分布がなく、また帰化している種も無い。栽培種としてはホソバヒャクニチソウ Z. angustifolia やヒメヒャクニチソウ Z. paucifolia などがある[4]

利用[編集]

観賞用に栽培される。

メキシコのアステカ族が16世紀以前から栽培していた[5]。西洋での導入は、コスモスやダリアより遅れて18世紀末、スペイン経由でもたらされた。ちなみに本属のものではヒメヒャクニチソウがこれに先立ってヨーロッパに持ち込まれている。日本へは1862年(文久2年)以前に入った。品種改良も行われ、八重咲き(舌状花が複数列となるもの)のものは1856年にインドからヨーロッパに入ってフランス、イギリスで販売されるようになった[6]。、またドイツで大輪のものが作られた。20世紀になってアメリカで更に巨大輪の『カリフォルニア・ジャイアント』の名で知られるものが作り出された[7]。特に栽培適地であるカリフォルニアで育種が盛んになり、現在のような多数の園芸品種が普及する基礎となった[8]。花色も、上記のように原種では舌状花が紫、内側の筒状花が黄色系であるが、現在では青色を除いてほぼあらゆる色のものがある[9]。 現在の品種では非常に多様なものがあり、大きさで小輪・中輪・大輪が、花形では万重咲き(ダリア咲き)、マツムシソウ咲き、ねじれ咲きなどが知られ、花色としても紅、オレンジ、黄色、クリーム色、白、藤色、紫など、さらに花弁に斑点があるものや条線が入るものなどもある。また鉢植えやプランター栽培向けの矮性品種も作られている[10]

春に種を蒔いて夏から秋まで花が観賞できる。直射日光、高温を好み、乾燥にも強い。また切り花としても夏でも花持ちがよいため、日本では仏前花として全国に広まったものである[11]

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として園芸植物大事典(1994),p.1132
  2. ^ 横井(1997),p.138
  3. ^ 横井(1997),p.138
  4. ^ 園芸植物大事典(1994),p.1132
  5. ^ 園芸植物大事典(1994),p.1132
  6. ^ 園芸植物大事典(1994),p.1134
  7. ^ 横井(1997),p.138-139
  8. ^ 園芸植物大事典(1994),p.1134
  9. ^ 園芸植物大事典(1994),p.1133
  10. ^ 堀田他編(1989),p.1123
  11. ^ 横井(1997),p.139

参考文献[編集]

  • 横井政人、「ヒャクニチソウ」:『朝日百科 植物の世界 1』、(1997)、朝日新聞社:p.138-141
  • 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
  • 堀田満他編、『世界有用植物事典』、(1989)、平凡社